#226 うつ病発症72日目・発症後371日目 ~うつ病で優しくなれた~

よく眠れても調子が悪い日もあるよなぁと今日はしみじみ思っていました。

まあ,人生というのは特に理由もなく調子が悪くなったりするものです。

うつ病になる前は,特に理由もなく調子が悪くなるなんて経験はなかったように思います。もちろん,風邪をひいたことは何度もありますし,インフルエンザになったことも一度や二度じゃありません。とはいえ,基本的に元気に日々を過ごしていましたし,そもそも,風邪やインフルエンザは,明確に「治る」ものです。風邪を引いても,治ったらまた元気になります。

こんな感じで,自分の体調が毎日良いことは当たり前で,体調の良し悪しを考えることなんてありませんでした。

でも,僕は,死ぬまで自分の体調を考える必要のない人間ではなかったようです。齢(よわい)29歳にして,特に理由もなく元気をなくすという現実に直面しました。

もしかしたら,「特に理由もなく元気がない」という現実がこの世に存在することに気づかないまま,ずっと元気に生きていたほうが幸せだったのかもしれません。自分の体調を心配することなく,何歳になっても元気バリバリで働けたらなぁと思ったりもします。

でも,現実は違います。僕はこれから先,自分の体調を常に気づかいながら生きていく必要があります。もちろん,全力で生きていいんですが,毎日睡眠時間を削って働くなんてことはできません。毎日十分な睡眠時間(8時間)を確保しないと,「全力」が出せないのです。睡眠時間を削ることができる人に比べたら,僕が意識を保てる時間の長さは,間違いなく少ないのです。

これは現実なので,僕が心理的に受け止められるかどうかにかかわらず,僕の目の前に物理的な壁として立ちはだかります。

悲しいですが(笑)

ただ,そのおかげで,僕は優しい人間になれたような気がします。うつ病前の僕は優しくありませんでした。どれだけ頑張っても思ったとおりにならない人がいることを,想像すらしていませんでした。「やればできる」なんてバカバカしいことを本気で信じていました。

どれだけやってもできないことはある。

どれだけ頑張ろうとしても,頑張れない人がいる。

だって,他でもない僕自身がそうなのだから。

だから,僕は,キレイごとじゃなく,「できなくても仕方ないよね」と思えるようになりました。前の僕が「仕方ないよ」と思うときは,間違いなく相手をバカにしていました。「僕ならできるけど,あなたの能力が低いから,あなたは僕と違ってバカだから,仕方ないよね」なんてことを思っていました。

そもそも,自分が優しくないことにも気づいていませんでした。

僕自身は勉強ができたほうですが,ただ,勉強の能力を過信したことはありませんでした。というか,「できて当たり前」とばかり思っていたのです。

自分が勉強の才能に恵まれているからこそ,少ない努力でテストの点数を稼ぐことができているという真実に気づいていませんでした。

その結果,「できて当たり前」という間違った思いを抱いてしまっていました。この「できて当たり前」という思いが,どれだけ他の人にとって残酷か,僕は全く理解できていませんでした。

「毎日出勤できて当たり前」という考えが,僕にとって残酷なことと同じです。

僕にとっては,「毎日出勤する」ことは全然当たり前じゃありません。ものすごく大変なことです。今はだいぶ回復しましたが,特に理由もなく唐突に元気をなくしていた半年前の僕にとって,「毎日出勤」なんて不可能でした。

そんな僕が「毎日出勤して当たり前でしょ」みたいに思っている人と話をしたら,それはそれは屈辱に思ったことでしょう。というか,毎日出勤して仕事するのが普通という,この日本の通念がとても残酷でした。その当たり前に到達できない事実に,大きな屈辱感を覚えました。悔しくて悔しくて仕方がなかったのです。

かつての僕も「できて当たり前」オーラをハチャメチャに醸し出していました。気持ち悪いくらいに醸し出していたような気がします(笑)。その時の僕は,文字通り「気持ち悪かった」でしょう(笑)。

でも,それは,偶然にも勉強の才能があっただけです。そんな才能にしがみついていた自分がとても恥ずかしい(しかも,その才能も,そこまでじゃなかったんだよなぁ・・・)。

まあ,いくら「恥ずかしい」と思ったところで,すべて自意識過剰なんですが(#誰も僕以上に僕に興味を持っていないので),そんな恥ずかしい自分から少し脱皮して,「できないことがある」と素直に認められるようになり,結果的に,少しは優しくなれたのはよかったと思います。

とはいえ,優しくなった自分と,かつてのバリバリだった自分のどちらが良いかは,難しい問題です。

苦しみも知らないまま,死ぬまで元気に過ごせたら,それはそれでいいのかなとも思いますが,まあ,過去には戻れないので,優しくなった今の自分と付き合っていくことにします。

前置きはこれくらいにして,今日もうつ病の経過を記録していきます。(第1回目はこちら。第2回目も大事なのでこちらからどうぞ)

【過去のこと・思い出したこと(発症72日目)】

・9月18日㈫:さて,前日のブログで書いた通り,前日に搭乗予定だった飛行機が欠航したため,実家から一人暮らしの自宅に帰る予定が先に延びました。なので,この日からもう少し実家暮らし(実家療養)が続くことになります。

この日は,前日に上司からLINEが届いたことで,大きく調子を崩しています。内容は「会って直接話したい」というものです。担当していた事件の引継ぎもロクに済ませず,電話での簡単な会話だけして僕が物理的に離れてしまったわけですから,僕の様子を知りたいという上司の要望は,至極当然です(笑)。

でも,当時の僕は,それを受け入れられる状態じゃありませんでした(笑)。完全に,上司からのLINEがトラウマになっていました。まあ,「トラウマ」なんて考え方次第だとアドラー心理学では指摘されていますが(「トラウマ」なんてない。現在の不甲斐ない自分を正当化するために過去の出来事を「トラウマ」とみなし,その「トラウマ」のせいで現在の自分がダメなんだと思おうとしているだけだというのが,アドラーの考え方です),でも,そのLINEを見た途端に,大きく調子を崩してしまったのは事実です。

アドラー的に言えば,「まだ働きたくない。事務所に戻りたくない」という自分を正当化するために,受信したLINEに過剰に反応し,調子を崩した,という時系列なのかもしれませんが,いずれにしても,LINEで調子を崩してしまったのです。

なので,この日以降,LINEを非表示にしています。ブロックじゃなくて,非表示にしています。「非表示」だと,メッセージを受信できるけれども,受信が通知されません。いつの日か,メッセージを読むこともあると思い,受信すらできなくなる「ブロック」ではなく,「非表示」にすることにしました。また,電話着信はこの日から拒否しました。LINEで調子を崩すのであれば,電話なら尚更調子悪くなるでしょうからね(笑)。

こういう風に,僕は,9月18日以降今日まで(もちろん今日以降も),完全に連絡をシャットアウトしていますが,これでいいんです。こうしておかないと,スマホもロクに使えませんから。いつLINEや電話がくるかびくびくしていたら身体が持ちません。

連絡を断ち切っても,解雇できるわけじゃありません。現に,僕は解雇されていません。書面での連絡はとれる状態で,ずっと休職を続けています。

僕の思想的には,こういう解雇規制が日本の社会の根底に横たわる大問題の1つ(労働市場の流動性が低い)だとは思っていますが,日本の裁判所が,簡単に解雇規制を緩やかに変更する(解雇しやすくする)とは思えませんので,僕も,とりあえずは,解雇規制(解雇がめちゃくちゃに難しい)の恩恵を受けさせていただいています。

僕の思想としては,労働市場の流動性が高いほうがいいと思っています。労働者ひとりひとりが,1つの会社にしがみつくのではなく,より自分にフィットした会社を渡り歩けるほうがいいに決まっています。

これができないからこそ,不要になったおじさん世代を解雇できず,そのしわ寄せが若い世代の負担となって,新規採用の減少につながっています。労働市場が流動的になれば,労働者が会社にしがみつくことを前提として過酷な労働を低賃金で強要するブラック企業は淘汰されていきます。

労働市場が流動的になれば,労働者に優しい会社しか生き残れないようになって,少なくとも,今よりはハッピーになると思うのですが(「過労死(karoshi)」は,会社にしがみついて生きていくしかない日本特有の現象),そのハッピーな将来を妨害しているのが,他でもない司法業界なので,責任の一端を感じます(;^_^A

いつの日か,解雇規制を変更する判例を最高裁で出さなきゃいけないのですが,弁護士業界では左系の人たちが目立つ傾向にあります・・・。終身雇用や解雇規制が,弱い人たちを更に追い詰めていることに気づいるのかどうか知りませんが,声高に終身雇用と解雇規制を擁護するのは,理解に苦しみます。

労働者と雇用主がいて,雇用主が労働者を搾取している!と善悪二元論が取り沙汰されますが,労働者も雇用主も同じ「人間」です。同じように,一生懸命厳しい世界を生き抜こうとしているわけです。

善悪二元論で片付けられる単純なものではなくって,双方がより幸せになる方法を考えるべきで,その1つが解雇規制の撤廃だと僕は思っています。

解雇規制が撤廃された結果として解雇されてしまった人は,堂々と失業保険や生活保護を受給すればいいのです。その費用は,解雇規制撤廃によって生産性の向上した会社が税金を納めて負担しなきゃいけないのは当然でしょう。失業保険や生活保護で生活費を賄う暮らしは,会社にしがみついてブラック労働に耐え忍ぶ暮らしよりも,はるかに幸せだと僕は思います。

この日の出来事に話を戻しますが,LINEによって調子を崩した僕は,一日中ゴロゴロと過ごしていました。夕飯はジョイフルに食べに行ったようです。

しかし,「調子を崩したら調子が上向いてくる」という僕の性質が,このときも発揮され,この日とは打って変わって,翌日はぐっすり眠れて調子を取り戻しています。

続きは明日書きます。

→今日はここまで

【今日経験したこと・経験して考えたこと(発症371日目)】

・今日できた仕事・勉強

今日は出勤しました。午前9時~午後6時20分まで滞在しました。昨日に引き続き『マシュマロ・テスト:成功する子・しない子』(こちら)を読んでいました。

・仕事・勉強以外に今日やったこと

特にありません!

【今日のうつ病】

昨晩は午前0時に布団に入り,すぐに寝つけました。やまとなでしこの再放送を見ていたら就寝が遅くなってしまいました。

テレビやYouTubeを見ていて就寝が遅くなるクセをどうにかしたいです(切実)。このクセにうまく対処できる日もあるのですが,うまくいく日といかない日で何が違うのか,まだよくわかっていません。疲れがたまっている日は,就寝が遅くなる傾向にあるのは間違いありませんが,昨日は,特に疲れがたまっているわけでもなかったように思います。毎日毎日気力を保つのは難しいので,元気がない日や,ついテレビやYouTubeを見てしまいそうになる日であっても,自分の気力に頼らずに早く就寝できる方法を考えていきたいです。

例えば,午後11時には,部屋の蛍光灯やパソコンやスマホの電源が強制的に消えて,寝る以外にどうしようもない状態が物理的に発生すれば本当に助かるのですが,どうすりゃいいんですかねぇ(笑)。

ちょっと考えます。ラクしたがりの僕にとっては,精神論は無意味なので,「物理的に」寝るしかない状態を作り出す方法を考えてみたいと思います。

話を戻しますが,朝は7時45分のアラームで目が覚めました。アラームで目が覚めたのは久しぶりで,よく眠れたはずなんですが,それほど調子は上向いていません。今はだいぶ良くなってきましたが,よく眠れたわりに,午前中は眠気があったり,だるさがあったりしました。まだまだ働きたくないみたいです。

今日もブログ書けてよかった!

それではまた明日!

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