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子ども(未成年)が逮捕された場合に弁護士の僕ならどうするか-8(事件の本質)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:少年事件 】

今日も、昨日に引き続き少年事件について書いていきます。

さて、昨日のブログでは、息子と面会した妻から報告を受けて、「息子のためにやれることは何でもやろう」と、夫婦2人で決心しました。

ただ、「やれること」と言っても、具体的に何をすればいいのでしょうか。

今回の事件は、息子が友達の家に言ったら、初めて出会った人(友達の兄の友人)が覚せい剤を持っていて、その場の流れで覚せい剤を使うことを拒否できなかった、というものです。

息子が覚せい剤に依存しているなら、覚せい剤依存からの脱却を考えなきゃいけませんが、今回はそうではありません。

息子自身も、初めて覚せい剤を打ったら、「めちゃくちゃ気持ち悪かった」と言っていたそうで(妻が聞いてきた)、逮捕もされているので、今後覚せい剤を自ら追い求めることはないでしょう。

「覚せい剤」というワードが出てくるので、どうしてもそれに目が行きがちですが、この事件の本質は「覚せい剤」ではありません。

・覚せい剤を持っているような人が近づいてくるような交友関係

・悪いと理解していながら覚せい剤を拒めなかったこと

これが、今回の事件で着目しなければいけないポイント=本質です。

そもそも、覚せい剤を持っているような人が近づいてくる交友関係を築いていなければ、最初から覚せい剤と対面することはありませでした。

ちなみに、僕も、覚せい剤を持っているような人と出会ったことがありません。覚せい剤なんてハチャメチャな違法薬物を、どうやって手に入れられたのか、不思議でたまりません。

覚せい剤は、所持しているだけで違法なので、持ち歩くだけで大きなリスクを負います。だから、手に入れようとしても、そもそも所持していることが違法なので、所持している人を探すのが大変です。

これまで扱った事件を見る限り、やっぱり、覚せい剤を手に入れるることができているのは、覚せい剤を持っているような人たちと、覚せい剤とは無関係に交友関係を築いていたからです。

覚せい剤は、いわゆる「不良グループ」や「裏社会」に潜んでいます。なぜなら、そういったアウトローな社会では、カネがめちゃくちゃ大切で、その「カネ」を稼ぐ上で、覚せい剤はとても手っ取り早い手法だからです。

覚せい剤は、依存しやすく、いちど依存症となってしまえば、覚せい剤なしでは生きていられず、いくらでも覚せい剤にカネを払うようになります。

プロ野球選手として巨額の報酬を得ていた清原和博が、覚せい剤に収入を根こそぎつぎ込んでしまうことからも、覚せい剤依存によってお金が吸いつくされてしまうことは十分わかると思います。

覚せい剤は、依存しちゃうけれども、違法薬物で、その流通に大きなリスクが発生するので、それに伴い相場価格も跳ね上がります。そういった高い値段で相場が形成されているので、手っ取り早く金稼ぎができるんです。

こういった「カネ」を理由に、覚せい剤は裏社会で広く流通していますが、とはいえ、普通に暮らしていたら、出会うことはありません。

覚せい剤に出会ってしまうような交友関係を既に築いてしまっているわけですから、その交友関係をどうやって清算するのか。これを考えなきゃいけません。

そして、17歳の男の子が友達なしでは生きていけるはずもなく、これからどうやって友達を作って、楽しい暮らしを送っていくのかということも考えなきゃいけません。

これに加えて、よくよく考えれば、息子は人生が楽しくなかった、ということにも思い至らなきゃいけないと僕は思います。

人生が楽しくて、やりたいことで溢れていたら、そもそも覚せい剤に近づいてしまうような交友関係を築くことはないでしょうし、覚せい剤が近づいてきたとしても、仮に使ってしまった場合のリスクを考えて、拒否できたはずです。

だって、覚せい剤を使ってしまった逮捕されるリスクがあるわけで、逮捕されてしまうと、せっかく人生が楽しいのに、その楽しい人生が奪われてしまうからです。

逮捕されてしまうと、物理的に身動きがとれなくなりますし、逮捕が世間に知られてしまうと、それによってやりたいことが制限されてめちゃくちゃマイナスです。

そういった覚せい剤使用によるリスクを考えるよりも、その場の「空気」や「友達との関係」を優先してしまったのは、いわば「どうしようもない」友人関係以外に、人生の楽しみがなかった、ということになるでしょう。

人生ってめちゃくちゃ素敵で、楽しいことや喜びに溢れていて、それは、自分で切り開いていくことができる。このことを理解できておらず、その結果、目の前の人間関係しか見えず、それが人生の全てとなってしまい、覚せい剤使用によるリスクよりも優先してしまった。

息子がこういった状態に陥ってしまったのは、父親として猛省しなければいけません。

息子にとって、人生は楽しくなかったのです。それはきっと、僕が人生を楽しめていなかったからです。

毎日毎日仕事して、疲れて切って帰ってきた僕を見ても、息子は、将来自分が迎える「大人」が楽しそうには見えなかったのです。

本当は、家族に囲まれて、仕事もやりがいあって、幸せを感じていたはずなのに、やっぱり疲れは溜まるので、そればかりが息子には印象的だったのでしょう。

今回の事件を踏まえると、僕だったら、まず、人生が喜びや楽しさで満ち溢れていることを、実体験をもとに息子に伝えて、そして、今の友達との関係を断ち切っても、きっと友達はまたできるし、家族はぜったいに裏切らないことを懇切丁寧に伝えると思います。

なんかきれいごとに聞こえますが、僕だったら、父親として、人生は楽しくて嬉しいよと息子に教えたいし、息子には楽しくて嬉しい人生を送ってほしいので、それを息子が理解していなかったことが判明したのであれば、きちんと向き合いたいと考えています。

今日はこれくらいにします。

それではまた明日!・・・↓

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