弁護士の僕ならこうやって借金を整理します-1(そもそもどうしてお金を借りるのでしょう)
【 自己紹介 】
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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。
僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。
ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。
あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。
ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。
【 今日のトピック:債務整理 】
今日から借金についてお話していこうと思います。
借金に苦しむ人たちは、本当にたくさんいます。
「借金=悪」と単純に考えている人も多く(かつての自分がそうでした・・・)、そして、そういった単純な考えを持っていれば、借金で苦しむこともないわけで、自分だけの幸せを考えるなら、それでいいのかもしれません。
しかし、弁護士である僕が、「借金=悪」という単純な考えでいていいかというと、それは少し違うと思います。
「借金=悪」であるとすると、「借金をなんとかしてほしい」と僕に依頼した人たちは、全員「悪人」なのでしょうか?
「借金=悪」で思考が停止してしまうと、「借金した人=悪人」となってしまい、「借金するような人はダメな奴だ」と、多様性を排除し、その結果、回り回って自分を苦しめてしまうと僕は思います。
借金の事案は、「借金=悪」、「借金した人=悪人」と、簡単なイコールで説明できるもんじゃありません。
「借金が返せないの?そもそも借金する人が悪いんだから、仕方ないさ」という風に思う人も、残念ながらたくさんいらっしゃるでしょう。でも、そう簡単に片づけられないのが、借金なんです。
さて、少しずつ説明してきますが、そもそも、「借金すると何が起きるか」というところから話を始めていこうと思います。
たぶん、「借金=悪」と思っている人の多くは、「借金しちゃダメ!」で思考が停止しているので、「借金すると何が起きるか?」ということすら考えたことがないと思います。
もっともっと、「借金」がどういうものか、くわしーく見ていきましょう。
さて、「借金」とは、文字通り、「お金を借りる」ことです。
お金を借りると、借りた側で何が起きるかというと、お金が増えるんです。
ここ、めちゃくちゃ大切で、例えば、100万円を「借金」すると、自分の預金残高が100万円増加します。または、自分の手元に現金100万円がやってきます。
借金すると、預金残高または手元の現金が増える。ここを見落としてはいけません。
「借金」すると、手元のお金が増えるんです。ほぼすべての借金は、「預金残高または手元の現金」を増やすために、借りられています。
ただ、その増えたお金は、あとで、丸々返さなければいけません。「丸々」どころか、借りた金額よりも多くのお金を返さなきゃいけないのが普通です。
例えば、100万円を借りた場合でも、その後に、総額で120万円を返済するのはザラです。借りたのは100万円なのに、返した金額は120万円と、20万円も増えてしまっています。
どうしてこんなことするんでしょうか?
100万円を借りて、何も使わずに置いておけば、100万円を返すことはできますが、100万円より多くの金額を返すのは、素朴に考えると大変そうです。
ここが、「借金=悪」と言われる理由だと思います。
借りた金額よりも多い金額を最終的に返さなきゃいけないことが、素朴に考えて「難しそう」ですし、もっと素朴に考えると、「おかしい!」という感じもします。
100万円借りたんだったら、100万円だけ返せばいいのに、もっとたくさん返さなきゃいけないのはおかしい!
こういう素朴な考えが「借金=悪」という思想につながっているのかもしれません。
しかし、じゃあ、どうして「借金」なんかするんでしょうか?さっきの疑問に戻りますが、素朴に考えると「おかしい」仕組みである借金が、世の中では毎日まかり通っています。
これはどうしてなのでしょう?
ここにきちんと着目するべきだと僕は思っていて、それは、先ほど説明したとおり、借金すると、預金残高または手元の現金が増えるからです。
素朴に考えたら「おかしく」見えてしまうような、「借りた以上の金額を返す」という仕組みも、「目の前の預金残高を増やす」という借金の目的のもとでは、霞んでしまいます。
「霞む」というか、借りた金額よりも多い金額を返済しなければならないけれども、それでもなお、目の前の預金残高・手元の現金を優先したいからこそ、借金するわけです。
あらゆる借金は、この2つの項目のバランスが、「目の前の預金残高・手元の現金」の側に傾いたからこそ、借りられています。
そりゃそうですよね。「後日借りた以上に返済しなきゃいけなくなるなら、目の前の預金残高を増やさなくてもいいわ」と思っている人は借金しません。
後日借りた以上に返済しなきゃいけなくなるとしても、どうしても目の前の預金残高を増やさなくてはいけない・増やしたいからこそ、借金しています。
こうやって、借金の性質を考えていくと、今のところ、僕には借金する理由がありません。
「後日借りた以上に返済しなきゃいけなくなるとしても、どうしても目の前の預金残高を増やさなくてはいけない・増やしたい」と思わないからです。
言うまでもありませんが、増えた預金残高は、「預金残高が増えたなぁ~」と眺めるために増やすわけじゃありません(笑)。
増えた預金残高で、何かを買ったり、その他支払いにあてたりして、何かしらの使い道があるからこそ、預金残高を増やすわけです。
今の僕には、増やした預金残高の使い道が思い当たりません。欲しいものもありませんし、何かしらの支払いに窮しているわけでもありません。
弁護士の仕事をしていると、「生活費を工面するために借金した」という人に出会いますが、それはかなりマズイです。
生活費は収入の範囲内でおさめなきゃダメに決まっています。
「生活費」は、毎月必要になるお金です。毎月同じように必要になるお金が足りずに、それを借金で補填していると、必ずジリ貧になります。
何度も書いているように、「借金」は、借りた金額よりも多いお金を返済しなきゃいけませんが、毎月必要になるお金が足りずに、借金で補填していると、借りた以上を返済しながらも、生活費が足りない状態は続くので、「生活費が足りない+借りた以上の返済」という二重の苦しみに襲われます。
だから、「借金」というのは、「生活費を補填する」ためのものじゃないんです。構造的に、借金で「生活費の補填」は不可能です。
「借金」は、「継続的に必要な支出の補填」には使っちゃいけません。「継続的に必要な支出」は、「毎月の収入」から支払わなきゃいけないんです。
毎月15万円しか収入がない人は、毎月15万円の生活しかできなくて、5万円を借りて「収入20万円」の生活はできません。その5万円の返済が翌月から始まるせいで、翌月以降は、毎月15万円の生活すら営めなくなってしまいます。
こう考えると、僕は、毎月の生活費を補填するための借金もしません。
そうすると、結局、僕には借金する理由がないんです。
このブログの醍醐味は、「弁護士である僕だったらこうします」という点ですが、残念ながら、今の僕には借金する理由がなく、どんな借金するのか、見当もつきません。
持ち家もほしくないので、住宅ローンも借りません。
うーん、困りましたね(笑)。
とはいえ、「僕は借金しないから、借金の話はしません」では、せっかくご覧になっている皆さんの需要を満たせないので、明日からは、僕が、過去に扱った事案を参考にして、僕が、その借金の事案の当事者になったつもりで、話を進めていきます。
この方は、なんと15社から合計3800万円もの借入債務を負担した状態で、当事務所を訪れました。
どうしてそんなに多くの会社から、多額の借金を負担することになってしまったのか。
明日は、僕自身が主人公になって、話を進めていきます。
今日はこれくらいにします。
それではまた明日!・・・↓
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