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弁護士の僕ならこうやって離婚を進めます-10(紛争には相手がいることをお忘れなきよう)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:離婚 】

さて、今日で10日目ですが、いよいよ僕の離婚話も最後です。

僕自身が離婚したくてたまらない夫という設定で、弁護士である僕がいざ自分の離婚を進める場合にどういう風に進めるか、という視点で文章を書き連ねてきました。

今回の設定では、妻が離婚調停でも離婚に応じてくれず、やむなく離婚訴訟を提起したところ、第一審判決で離婚が認められたことで、やっと離婚を受け入れてくれました。

僕は、子ども(8歳と6歳)の親権者を妻と判決で指定されたことが不服で控訴しましたが、控訴審では、離婚すること自体は、妻も僕も認めているので、養育費や財産分与についても、お互いの収入と財産を開示して、算定されました。

僕は、マイホームを持たないので、財産分与の額について激しく争われないでしょうし、養育費の金額も、お互いの収入で機械的にはじき出されてしまいます。

そのため、財産分与や養育費の金額について、話がこじれることはあまり想定されません。僕は、払うべきは払うというスタンスだからです。

しかも、なるべく早く離婚したい僕としては、妻の要求になるべく応じると思います。一刻も早く離婚したいわけですから、枝葉末節にこだわって離婚が遅れるのは勘弁してほしいです。

離婚するまで婚姻費用の支払いも続くわけですから、さっさと離婚して婚姻費用を養育費に切り替えたいですしね(笑)。

ただ、妻が慰謝料も請求してくる可能性がありますが、いくら「さっさと離婚したい」といっても、慰謝料の請求には応じません。

なぜなら、「慰謝料」とは、僕に違法な行為があった場合に限り、認められるからです。

僕が暴力を振るったり暴言を吐いたりして、その結果、妻に精神的苦痛を与えた場合に限り、慰謝料は認められます。

ただ、夫婦げんか程度の言い争いであれば「違法」と認められることはありません。夫婦げんかの程度を超えて、「これは我慢の限界を超えているよね」と第三者視点からも認められるくらいの暴言があって初めて、「違法」と評価されます。

今回の設定では、僕は、妻の一挙手一投足にいらだってはいますが、夫婦げんかの範囲内で言い争いをしていただけで、「違法」な暴言は吐いていません。

だから、慰謝料の請求には応じられません。ここだけは譲らないと思います。

さて、こういう感じで、お金の問題についても、最終的に解決されます。

離婚の訴訟を提起していますから、最終的には、裁判所が「判決」という形で決着をつけてくれます。

ただ、今回「弁護士の僕だったらどうやって離婚を進めるか」というテーマで文章を書いていて改めて感じましたが、紛争には「相手がいる」という着眼点がとても大切です。

離婚は、「妻」という相手がいて、妻が僕からの離婚請求にどう対応してくるかで、僕の行動も大きく変わってきます。

妻が最初から離婚に応じてくれていて、離婚の条件だけに折り合いがつかないのであれば、離婚訴訟にはなっていないでしょう。

離婚調停で、話し合いで解決できたかもしれません。

だから、今回の架空エピソードも、「仮定の上に仮定を重ねた」ていますから、なかなか一般化するのは難しいです。

というか、一般化してほしくありません。

僕ら弁護士が扱う紛争は、その根っこに必ず「人間関係」があります。

同じ人間が1人として存在しないように、全く同じ「人間関係」も2つと存在しません。

だから、あらゆる事件が「唯一無二」で、「唯一無二」の事件を扱う僕らの仕事は、すべて「完全オーダーメイド」なのです。

こちらの行動は、必ず相手の動向に左右されますし、相手の動向もこちらの行動に左右されますから、日々刻々と事件は動いていきます。

これを「流動的」と表現するのでしょうが、ただ、僕が言いたいのは、「流動的」とはいえ、「即断即決」は必要ないことです。

僕らの仕事は、即断即決は不要です。相手の動向を踏まえて、じっくり検討して、交渉することができます。

だから、このブログをご覧になっている皆様にお伝えしたいのは、「即断即決しないでほしい」ということです。

紛争は、こちらと相手の行動がそれぞれ積み重なって、動いていきます。

間違った1枚を積み重ねてしまうと、その上にまた1枚が積み重なってしまい、どんどん状況は悪くなっていきます。

なにか1手を打つ前に、じっくり考えてほしいです。

もちろん、考えてばかりで前に進まないのはよくないですが、ゆっくり考えて、弁護士に相談しながら、少しずつ進めていってほしいです。

あわてずさわがず、ゆっくりやりましょう。焦っても良いことなんてありません。人生と同じです(笑)

離婚の話はこれくらいで終わります。明日からは、大家さんから立退きを求められたらという設定で、話をしていこうと思います。

それではまた明日!・・・↓

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