不倫の慰謝料を請求されたら-5(「バレた」からといってバレているとは限らない)
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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。
僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。
ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。
あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。
ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。
【 今日のトピック:不倫の慰謝料を請求されたら 】
今日も引き続き、不倫の慰謝料を請求されたケースについてお話していきます。
昨日までの2日間で、一応、今回の設定を説明し終わりました。
転職した会社の同じ部署(人事部)で出会った同い年の既婚女性と僕が不倫してしまったわけですが、2018年6月に転職した僕は、入社2年目の2020年、人事評価の仕事が完了し、人事部全体での打ち上げ飲み会をやった後に、不貞してしまいました。
初めての不貞は、2020年の3月です。2020年の2月に、2人きりで残業していたら、距離が縮まり、3月には不貞(=セックス)してしまいました。
これ以降、僕は彼女とのセックスを繰り返していましたが、9月7日、彼女から「夫にバレた」というLINEが入りました。
さて、ここからがいよいよ本題です。
本当に、昨日までの2日間、僕のつたない物語にお付き合いくださって、ありがとうございました。
弁護士として書くべきなのは、夫に不倫がバレた後の対応からだと思いますから、ここから少し趣を変えて書いていこうと思います。
僕だったら、「バレた」というLINEが入ったのであれば、まず、「バレた」の意味を確認します。
というか、LINEだと、誰がLINEしてきているかわかりません。もしかしたら、夫が妻になりすましてメッセージを送り、証拠を押さえようとしているかもしれません。
なんか、やたらと警戒していますが、というのも、不貞の慰謝料請求は、とにかく、請求する側(今回の設定でいえば、夫)が、基本的に負けやすいんです。
このテーマになった初日のブログで書きましたが、「不貞」とは、「セックス」です。
妻の膣に僕のペニスが挿入されて初めて「不貞」なのです。
だから、夫が僕に対して、僕と妻が不貞したことを理由に慰謝料を請求するためには、妻と僕がセックスしたこと、つまり、妻の膣に僕のペニスが挿入されたことを立証しなきゃいけません。
裁判を見据えると、こうなります。
僕が自発的に慰謝料を支払わない限り、夫の懐には1円も入ってきませんが、そんな僕に無理矢理にでもお金を支払わせるためには、裁判をするしかありません。
裁判して支払いを命じる判決をもらわない限り、他人の財産から、その人の意志に反して支払わせることはできません。
これが、近代以降の社会のルールです。
とすると、夫は、最終的に、裁判で妻と僕との不貞(セックス)を立証しなきゃいけなくなるわけですが、セックスの証拠なんて、普通ありません(笑)
よくよく考えてみてください。
セックスって、普通は、隠れてします。公然と誰かの面前でセックスすることなんてありません。
セックスした本人同士にとっては、セックスしたことは明らかですが、セックスの当事者ではない第三者が、その2人がセックスしたかどうかなんて知りようがありません。
しかも、不倫ですからね。より一層、ひと目をはばかります。
不倫に限らず、セックスは隠れてするものなのに、それが不倫となれば、より一層、証拠は残さないようにします。
にもかかわらず、セックスを立証しないと、裁判で慰謝料請求は認められません。
だから、不倫を理由に慰謝料を請求するのは大変なんです。基本的に難しい。
そうすると、夫が、裁判で不倫を立証できるだけの証拠を確保している可能性は、それほど高くないわけです。
もちろん、「不貞の立証は難しい」という知識を仕入れた上で、がっつり証拠を揃え、言い逃れできない状態で妻に不倫を追及している可能性もあります。
ただ、そうではなく、まだ裁判で立証できるだけの証拠は揃えられていない状態で、妻の不倫を知ったことの怒りに震え、感情的に妻に対して追及していることも考えられ、あくまで一般的な傾向で言えば、こっちの可能性が高いわけです。
夫としては、「間違いなく不倫してる」と思っていたとしても、それが裁判でも認められるかというと、ちょっと違うことが多いです。
例えば、夫が、妻と僕とのLINEを発見し、それを写真に撮っていたとしても、「セックス」までの証拠とはならないかもしれません。
「昨日は楽しかったね❤またセックスしよ❤」
「うん❤すごく楽しかった。またぜったいしようね」
みたいな会話が残っていれば、それはもう全く言い逃れできませんが、そうではなく、「昨日はお疲れ様~」とか「またメシ食べに行きましょう」くらいのメッセージであれば、それだけで不貞を立証することは不可能です。
僕と彼女だってバカじゃありませんから、不貞の証拠を残さないように細心の注意を払っていました。
「またセックスしようね」なんてバカなメッセージなんて残していません。
いちいちLINE履歴を削除するのも怪しまれるので、いろいろと、当たり障りのない理由を作り出して会っていました。
LINEのメッセージだけで不貞を立証するのはムリです。それくらい注意していました。
にもかかわらず、「バレた」というメッセージが届いたわけです。
どんな理由で「バレた」なっているのか、それを探らなきゃいけません。
「バレた」というメッセージが来たことに動転して、「え、やばいじゃん」なんて送ったらダメですよ。
これは不倫を認めるメッセージですからね。LINEしてきてるのが妻本人かどうかもわからない状態で、不倫を認めるメッセージを送ってしまったらアウトです。
・「バレた」とは、何をもって「バレた」という状態になっているのか
・「バレた」理由は何なのか
・自ら不倫の証拠を夫に差し出さない
このことを頭に入れて、「バレた」というメッセージに対応しましょう。
続きはまた明日書きます。
それではまた明日!・・・↓
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