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交通事故の被害にあった場合に弁護士の僕ならどうするか-30(損害内訳まとめ)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:交通事故 】

引き続き交通事故について書いていきます。

さて、昨日までで損害の内訳については説明を終えました。

・治療費

・通院交通費

・傷害慰謝料

・休業損害

~~~ここまでが症状固定前~~~

・後遺症慰謝料

・後遺症逸失利益

今回の事故で請求する損害の内訳は、こんな感じです。

で、それぞれの金額を算出して、訴状に書きます。

「治療費」のうち、任意保険会社(あいおいニッセイ)が一括対応で病院に直接払った分については、あいおいニッセイが支払った金額について診断書や明細書などの資料を持っているので、そのコピーを送ってもらい、金額を確認します。

支払済みなので、相手に請求しないお金ではあるんですが、発生した損害の全体像を訴状では示す必要があるので、1つ1つ資料を確認しながら、金額を書き出します。

支払済みの金額は、最後に「既払金」という項目を設けて、そこで差し引きます。

また、一括対応が打ち切られた後、自分の健康保険を使って3割負担で通院していた期間は、自分が支払った金額のみを書きます。

残りの7割は、協会けんぽなどの健康保険が支払っているので、自分の損害としては発生しておらず、カウントしません。

なお、協会けんぽが病院に支払った7割は、協会けんぽから加害者に対して請求することができます。

その際、加害者は、自動車保険を使うことができるので、自分の財布を痛めることなく、保険会社に代わりに支払ってもらうことができます。

通院交通費は、↓のブログで書きました。

僕は自動車で通院しましたが、その場合、1kmあたり15円で通院交通費を算定します。今回は、30回の通院往復をすべて合計すると、総額2700円でした。

休業損害についても、↑のブログで書きました。

僕はサラリーマン(給与所得者)で、通院もすべて有給休暇を取得していたので、実際に収入が減少することはありませんでしたが、通院のために取得した有給休暇の日数分は、休業損害を請求できます。

その金額は33万3330円でした。

傷害慰謝料は、昨日と一昨日のブログで書きました。

↓昨日のブログ

↓一昨日のブログ

別表1と別表2があって、別表1だと124万円ですが、別表2だと97万円です(通院期間が7ヶ月なので)。

最終的に別表2の金額を覚悟しますが、訴状の段階では別表1の124万円で書くだろう、ということでした。最初から別表2を書いてしまうと、せっかく争点を減らそうとしたのに、さらに安い金額を主張されて、無用の争いを生んでしまう可能性があるからです。

後遺症慰謝料は、14級なので110万円を書きます。

後遺症逸失利益も、最終的に↓のブログで書きました。

後遺症については、かなり長々と書いてしまいましたが、最終的に523万9680円という金額が算出されました。

以上をまとめると、

・治療費:一括対応であいおいニッセイが支払った金額+健康保険で支払った3割負担分

・通院交通費:2700円

・休業損害:33万3330円

・傷害慰謝料:124万円

・後遺症慰謝料:110万円

・後遺症逸失利益:523万9680円

という損害の全体像(総額)が明らかとなります。

この総額から、一括対応であいおいニッセイが支払った金額を「既払金」として差し引くので、最終的に請求する金額(訴状で記載する金額)は、

791万5710円+健康保険で支払った3割負担分

ということになります。

損害の内訳についてまとめてみましたが、これは、あくまで訴状の段階です。

訴状を提出すると、その訴状が裁判所から、加害者(加害車両の運転手本人)宛に郵送されます。

それまでずっと、交渉相手は保険会社で、加害者本人とは一切交渉していなかったのに、訴状になるといきなり加害者本人が矢面に立たされます。

とはいえ、保険会社(あいおいニッセイ)が弁護士を用意するので、加害者本人は、その用意された弁護士に依頼すればそれでいいです。

依頼せずに自分で訴訟対応してもいいんですが、とはいえ、せっかく自動車保険に加入して毎月保険料支払っているのに、訴訟になるような場合にまで自分でお金を持ち出していると、いったい何のために自動車保険に加入しているのかわかりません(笑)。

だから、だいたいの場合、加害者本人は、保険会社の用意した弁護士に訴訟を依頼します。弁護士費用も保険会社持ちです。

加害者本人は、訴状が郵送されたら、それを保険会社に提出して、あとはおまかせ、といった感じです。対人保険を使ってしまっているので、保険のグレードが下がるのは避けられませんが、そのおかげで、保険会社が損害賠償を肩代わりしてくれます。

さて、明日はいよいよ交通事故最終回です(の予定です)。

今回の訴訟で想定される争点、そして相手からの反論に対する再反論について書こうと思います。

それではまた明日!・・・↓

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