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交通事故の被害にあった場合に弁護士の僕ならどうするか-28(痛みを評価する)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:交通事故 】

引き続き交通事故について書いていきます。今日こそ通院慰謝料について書きます(笑)。

さて、昨日も通院慰謝料について書こうと思っていたんですが、その前提として「症状固定」について書いていたら、話がぶっ飛んでしまいました。

交通事故について書く中で、何度も何度も「症状固定」というワードが出てきました。

言い訳になってしまいますが、症状固定について何度も書いてしまうことは仕方ないことなんですよ。「症状固定」の前後で、請求できる損害額が全く異なるので。

「症状固定」までは、治療費、休業損害、通院慰謝料など、発生した各損害を請求していくんですが、「症状固定」の後は、あくまで、残存する後遺症をどうやってお金に換算するか、という視点に変化します。

症状固定までは、発生した損害を逐一数えていくという考え方なんですが、症状固定後は、後遺症をお金に換算するという考え方になるわけです。

で、これまでずっと、「後遺症をお金に換算する」方法を説明してきました。

「後遺症をお金に換算する」方法は、「後遺症慰謝料」と「後遺症逸失利益」です。

後遺症が残ったことそれ自体によって、精神的苦痛(痛みが残っているのであれば、これからずっと継続的に痛みを味わう)を味わうことになりますから、その精神的苦痛をお金に換算したものが「後遺症慰謝料」です。

「後遺症慰謝料」の金額は、後遺症の等級(ランク)によって決まっていて、今回僕は14級を主張していますが、14級なら110万円です。

「後遺症逸失利益」については、一昨日までのブログでさんざん説明しましたので、そちらをご覧になっていただきたいです(笑)。要は、後遺症を原因とする収入減を算定するのです。

こんなことつらつら書いていたら、また通院慰謝料について書けずに終わるので、これくらいにします。

さて、「通院慰謝料」ですが、この言い方は少し正確ではないかもしれません。「傷害慰謝料」と呼んだほうがいいでしょう。

先ほど説明したように、症状固定の前後で考え方が変わるわけですが、「通院慰謝料(傷害慰謝料)」とは、要は、症状固定までの慰謝料のことです。

今回の設定で、僕は、交通事故によってケガを負いましたが、入院することはありませんでした。

しかし、交通事故の程度によっては入院することもありますよね?

通院だけでなく、入院した場合も、一括対応によって治療費は任意保険会社(今回の設定で言えば、あいおいニッセイ)が払います(あくまで、「一括対応」は任意保険会社の判断に任せるほかないので、任意保険会社が一括対応しないと判断したらそれまでですが・・・)。

とはいえ、治療費以外にも損害は発生していて、その1つが慰謝料です。

入院するなり、通院するなりすれば、時間と手間がとられますから、これは大きな精神的苦痛です。

それよりも何よりも、ケガしたわけですから、めちゃくちゃ痛いんです。

交通事故でケガしたその瞬間に痛かったし、すぐに痛みが引くわけでもなく、ずっと痛みに付き合わされることになります。

症状固定後の痛みについてはは、「後遺症慰謝料」としてお金に換算しますが、症状固定までの「痛い!」という苦痛を味わされたことに対しても、慰謝料が払われなきゃいけません。

これが、「傷害慰謝料」です。通院だけの治療で症状固定を迎えた場合に「通院慰謝料」と呼ぶこともあります。

しかし、「痛い!」という苦痛や、通院や入院に手間をとられるという苦痛をお金に換算しようにも、なかなか難しいですよね。

治療費や休業損害は、いわば「実害」ですから、慰謝料に比べたら、比較的お金に換算するのは簡単です。

治療費は、病院の診察料や薬の処方料などです。これらの金額は明細書などで客観的に明らかです。

休業損害も、収入減を算出するわけですから、苦痛をお金に換算するよりはイメージがつきやすいです。

ただ、苦痛をお金に換算するのは、人それぞれ考え方が違いますし、どれも否定する決定的な理由がありません。

僕は今回、症状固定までにちょうど7ヶ月通院しました。病院にも合計30回通院しました。

この手間や時間は、定量的な測定ができますが、痛みは測定不能です。痛みは感じた本人が、感じた瞬間にしか経験していません。

それを測定するなんて、どうやっても無理なんです。

その痛みを、例えば「1億円!」と評価したいと、被害を受けた本人は思うでしょう。

はたからみれば、「それはやりすぎでしょ」と思うかもしれませんが、本当にそれくらい痛かったのかもしれません。

痛みは本人しか味わっていないので、味わっていない他人が、その痛みの程度を判断・評価することは構造的に不可能なのです。

しかし、「不可能」だからといって、痛みをお金に換算することを諦めるわけにもいきません。

痛みを味わったことは間違いないのに、それを他人が評価することができないからといって、痛みに対する慰謝料を否定するべきではないでしょう。

そこで、入院日数と通院日数によって、傷害慰謝料の基準が決められています。

入院・通院の手間や時間に対する苦痛なら、入院日数・通院日数を基準に算定するのも理解できますが、この表は、「痛み」も入院日数と通院日数で評価できることを前提にしています。

つまり、より長期間にわたって入院・通院したのであれば、それだけ痛みも強かったよね、と考えているのです。

厳密に考えると、痛みの強さと入院日数・通院日数は別問題なのですが、痛みを他人が評価することができないので、やむを得ず、痛みも入院・通院日数で評価することにしているのです。

だから、事案によっては、↑の表に基づいて算定された金額よりも高い金額が主張されることもあります。

入院・通院日数では評価しきれない、もっと重大な苦痛を味わった!という主張です。

この主張も、「入院・通院日数と痛みの強弱は別問題」という、当たり前の感覚を前提にすれば、十分理解できます。

さて、今日はここまでにしますが、↑のリンク先を見ると、表が2つあります。

表が2つあって、書かれている数字が違います。つまり、どちらの表を使うかで金額が変わってくるんです。

明日は、この「表の違い」についてお話したいと思います。

それではまた明日!・・・↓

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