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不倫の慰謝料を請求されたら-20(最後の最後で電話)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:不倫の慰謝料を請求されたら 】

今日も引き続き、不倫の慰謝料を請求されたケースについてお話していきます。

さて、昨日は交渉がいよいよ大詰めとなりました。

「高くても35万円!」と腹をくくった僕は、「最大限の譲歩」として、35万円の支払いを提示しました。

しかし、相手(=夫)は、減額してきたとはいえ、「100万円払え」と言っています。

その人に対して「35万円しか払わないよ」と伝えると、相手(夫)は、かなりイライラすることが予想されます。

でも、交渉ってそんなもんです。お互いにイライライライラしながら、妥協点を探っていきます。

夫は、弁護士に依頼していますから、その着手金だけで35万円以上の金額を支払っている可能性もあります。

「35万円だと、着手金にも足りないじゃないか!」と思われているかもしれません。もしそうだとしたら、「35万円」という僕からの提案は、かなりムカつくでしょう。

こういうイライラやムカつきが交渉にはつきものですが、しかしながら、法的な結論を念頭に置いて進めるので、やみくもに譲り合うのとは違います。

昨日のブログでも最後に書きましたが、僕は、何の理由もなく「35万円」という数字を導き出したわけではありません。

・婚姻期間4年、不倫期間半年、離婚なし

・求償ナシ

という前提で、僕が支払うべき金額をだいたい50万円~70万円と予測しました。

この予測を踏まえ、なおかつ、夫が裁判で不貞を立証できるかどうかも考慮要素に入ります。

既に、夫からは、僕と妻が不貞した根拠として、

・妻が不貞を白状していること

・妻が休日出勤とウソをついていた日に僕と妻が会っていた現場を目撃したこと

・LINE履歴

という3つを伝えられていました。

僕としては、LINE履歴から不貞が証明されないよう、細心の注意を払っていた自負はありますので、LINEの履歴から証明できるのは、僕と妻が「仲の良い関係だった」というところまでです。おそらく。

だから、裁判で立証できる可能性は低いと判断しました。

加えて、夫も、慰謝料の金額を、当初の300万円から100万円まで譲歩してきています。

夫としては、弁護士に依頼もしていますから、訴訟提起のハードルはぐっと下がっているはずです。だから、「訴訟提起になると面倒だな」という考えは、夫にはありません。

にもかかわらず、夫は100万円まで譲歩してきました。

まあ、当初の300万円は求償アリの金額で提示してきて、現在の100万円は求償ナシだから、結局、実質的には50万円だけ譲歩してきた、という風にも考えられます。

しかし、裁判で立証できる自信があるのであれば、ここまで譲歩してくるかというとビミョーだと思います。

「100万円」という数字は、まだ全然高めですが、ただ、「100万円」という数字を既に出してしまうということは、「最終的な金額はもっと下がってもいい」と考えていることを意味します。

「100万円が限界です」という話なら、単に「100万円」とは書きません。

僕が使ったように、「最大限の譲歩」とか、「ご納得いただけない場合は訴訟による解決を図るほかないと考えております」とか、そういったコワイ書き方をします。

立証できる自信があるのであれば、夫としても(夫の弁護士としても)、最終的な金額が100万円を下回るのは避けたいはずです。

この点も踏まえた上で、僕は、「どうやら夫(とその弁護士)は話し合いで解決したいようだな」と感じました。

これもあって、僕は、100万円という夫からの要求に対し、当初の30万円からたった5万円しか譲歩しませんでした。

僕からの「最大限の譲歩」としての35万円提案から数日後、夫の弁護士から電話がかかってきました。

「50万円でどうですか?」という内容でした。

これに対して、僕は、

「35万円が最大限の譲歩とお伝えしたはずです」とつっけんどんな態度です(もちろん、言い方は穏やかです)。

「それはこちらも重々承知していますが、ただ、依頼者(=夫)本人が、どうしても50万円は譲れないと言ってて」

「申し訳ありません。そちら側の事情もあるでしょうが、こちらとしては、35万円がマックスです」

「50万円でご納得いただけないと、今後訴訟という形になりますが」

おっと、訴訟をちらつかせてきました。訴訟をちらつかせて譲歩をひねり出す作戦でしょう。

これに対し、僕は、

「こちらも、最大限の譲歩とお伝えしたところですから、交渉決裂によって訴訟となってしまう可能性もあるなと考えていたところです。」

と返答しました。

こう言われてしまうと、相手の弁護士も説得できなくなります。そこで、

「わかりました。35万円がそちらの最終回答ということですね。それを踏まえて、訴訟するかどうか検討して回答します。」

と弁護士は言ってきました。これに対し、僕は、

「わかりました。交渉決裂の場合は、その旨書面で回答ください。」と伝え、相手の弁護士も「わかりました。」と言いました。

さて、いったいぜんたい、この交渉はどうなってしまうのでしょうか。

今日はこのへんにします。

それではまた明日!・・・↓

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