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読書感想文:科学がつきとめた「運のいい人」

テレビ等でも良く目にする脳科学者の中野信子さんの本、科学がつきとめた「運のいい人」を読んだ。

この本は、世間で運がよくなると言われている行動について、科学的な根拠を明記してくれている本だ。

まず、運のいい人になりたいと思うとき、自分を変えようとしない方が良いらしい。

脳には人それぞれの特徴があり、神経伝達物質であるセロトニンやドーパミン等の量には個人差があるという。

例えば、セロトニンが多い脳は、不安感がなく幸福を感じやすい反面、反社会的行動をとりやすいとも言われるらしい。

不安や恐怖感がないため、「いまがよけれないい」という行動をとりやすいとのこと。

このように、私たちの脳は、自分ではコントロールし辛い生まれつきの個性があるらしい。

そのことについて、筆者は、

そこで、少し視点を変えて「いまの自分を最大限に生かす」ことを考えてみましょう。いまの自分を変えようするのではなく、いまの自分を生かすのです。

中略

たとえいまの自分の状況が世の中の基準から考えるとちょっとズレている、という場合でも、自分が心地よいと思う状況なら、その状況を生かすことを考えましょう。

中略

自分を世間の標準に合わせる必要はありません。
いちばん大事なのは自分です。その自分を最大限に生かすのです。

中略

いまの自分を最大限に生かすというのは、次に述べる「自分を大切に扱う」ということでもあります。新しい何かを身につけたり、得たりしようとするのではなく、すでに自分に与えられているものを生かしきるのです。

p31~33

と述べています。

なるほど!
環境に自分を合わせるのではなく、
自分の特性を生かす。
それは、自分が生まれてきたことを肯定する、ということかもしれない。

無理に違う自分になろうとしない。
常日頃、私も悪戦苦闘しながらではあるが、
自分自身あろうと努力している。

(本当は「努力」などと力を入れた状態ではなく、自然体で自分らしくありたい)

そして、この「自分を大切に扱う」ということについては、

自分を大切にしている人を粗末に扱うのは抵抗があります。
しかし自分で自分を粗末に扱っている人には、こちらも同じように粗末に扱ってもいいような気がしてくる。
身なりのきちんとした人には思わず敬語を使いたくなりますが、身なりにあまり無頓着な人にはその気はなかなか起こりません。
つまり、他の人から大切に扱われるようにするには、そして、周囲の人と良好な関係を築くためには、まず自分で自分を大切にする必要があるのです。

p38

という風に書いてあって、その通りだな思った。

自分を大切に扱うって、なかなか文字で書くほど
簡単じゃないけど、少しでも「自分なんて」って思うのを止めよう思った。

他人に気を遣うように、他人にはかけないような言葉は、自分にもかけないようにしたい。

また、

他人の尺度でなく、自分の尺度で行動する。他人がどう思うかではなく、自分が心の底から「心地よい」「気持ちよい」と思える行動をするのです。
中略
常に快の状態をつくり出す努力をしている人というのは、心理学でいう自己一致の状態になるのです。
自己一致の状態とは、こうなったらいい、こうあるべきと考えている理想の自分と実際の自分が一致していること、あるがままの自分を自分で受け入れていること、もっと簡単にいえば、自分で自分のことが好きな状態です。

p42~43

心地よいという状態が続くことは、自己一致の状態なんだ、と勉強になった。

自己一致した状態は、自分のことが好きな状態。
自分のことが好きだったら、確かに自分のことを運のいい人だと思えそうだ。

そして、何かを選択するときは、正しいかよりも、面白いかどうかで判断した方が良いらしい。

面白い!と思えれば、ドーパミンが出て、やる気が湧いてくるそう。

子供は、1日に平均300回笑うそうだが、大人は17回、70歳以上になると、2回しか笑わなくなるそうです。(p63、64)

大人って全然笑ってないのね‥。
悲しい笑

笑うって大事なんだ!

自分のことを運がいいと思っている人も、そうでない人も、遭遇している事象は似ていることが多いそうです。

ただ、事象の捉え方、対象の仕方が違うとのこと。

運のいい人は、マイナスの事象が起きた時も、決して自暴自棄や、やけっぱちになったり、何もかも投げ出したりはしないそう。

そういう状況下でも、「では、どうするか」と切り替えることが出来る。

そして、決してゲームを降りない。

運がいい人も悪い人も、長期的にみれば、プラスの出来事とマイナスの出来事はほぼ同じ割合で起きているいえます。
しかし運の悪い人はゲームを途中で降りてしまい、運のいい人は最後までゲームをあきらめません。
結果運のいい人はさらなる運を手に入れ、運の悪い人はますます運が悪くなってしまうのです。

つまり、運を手に入れられるかどうかは、その人がもともともっている運のよしあしではなく、「ゲームをおりるか、おりないか」の差にすぎないのだ、ともいえるでしょう。

p165

運のいい人も悪い人も良いことも悪いことも
平等に起こっている。
悪いこと起きた時、大騒ぎしてそこでやめてしまったら、成功には辿り着けない。

いつも、嫌なことばっかりだなという気分で終わってしまうかもしれない。

また、セロトニンやメラトニンを十分に分泌させるため、早寝早起きをして、朝日を浴びることや、
1人勝ちしようとせず、他者を思いやったり、
誰かのために祈ることも、運をよくするための方法だと述べている。

どの言葉も、一見すると聞いたことがあるように感じるけれど、この本は、きちんと事例を上げて科学的な見地から意見を述べてくれているので、納得感があった。

運のいい人の習慣、取り組みやすいものばかりだったので、出来る範囲で取り入れていきたい。


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