イジメられのカリスマ2　〜娘もイジメられた〜　第拾捌話

泣き崩れたユカの母親は
「ホンマにスミマセンでした。」
を何回も繰り返し、しばらくして立ち上がり
ユカに向かって右手を大きく振りかぶった。

その手を掴んだ僕は
「こんな所で、感情的に怒んなや。
　こうなった理由はお前等夫婦にあんねん。
　元々は純粋な子がこうやってひねくれたんは
　お前等夫婦のこの子らに対する毎日の対応が、
　コツコツ積み重なって、このモンスターを
　産んだんや。分かるか？
　他人の家庭に首は突っ込みたくない　
　けど、小学生に下の子押し付けて、手料理の1つ
　も食わさんと、毎日インスタント。お前等夫婦　
　は外で飯食って夜中に酔い潰れて帰ってきて…
　この間、先に竜一怒ったけど、俺が怒ってんの　
　はお前等夫婦や！そんな育て方した自分等棚に
　上げて、子供を攻めるんはちゃうやろ？
　今回の出来事で色々な人達から話聞いたけど、
　皆、口揃えて言うてたわ。
　（あの家の子供達が可愛そう）って。
　お前の親までもがな。　
　俺もこの日を迎えるのに、半端な気持ちでやりた　
　くなかったから、色々足運んで情報集めて
　準備したんや。
　こいつ等殴る前に、謝ったれ。
　こうなったら後戻りはでけへんねん。
　まず、この二人はお前等に傷付けられて、他の
　子を傷つけてきた。
　負った傷はすぐに消えへんねん。
　何年かかってもええから、まずお前がこの二人の
　傷を治したれ。
　お前等二人もわかったか？
　今までイジメた子らにちゃんと謝れ。
　それで皆許してくれるって。
　イジメられてた子らハナも含めてやけど、
　皆があのグループで、昔みたいに楽しく遊びたい　
　って言うてたわ。
　だから、素直に謝ってこい…。
　
　さぁ～、オッサンの話はここまでや！　
　お前等のカレーなくなったから今日は、
　今から家帰ってオカンに飯作ってもらえ。
　なんやったら、一緒に作れや。　
　やらなアカンことは今日中に終わらして
　明日また一緒に祭りやろーぜ。
　ほな！」

ユカとハズキはその足でまずハナに謝り、
今までイジメた子達の家に行き、ちゃんと謝った。

そして、その日は3人でカレーを作り、ユカは
母親に沢山甘えたらしい。

第拾玖話へ続く…

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