クライアントからの挑戦状 2
仏教や家相にご興味の無い方に ざっとご説明させて頂く
「鬼門」とは 読んで字のごとく 「鬼」が出入りする方位を示す
一般的には「丑寅」つまり「北東」を指す
昔からこの鬼門に 玄関だの 水回り(トイレ キッチン 風呂など)を配置することは忌み嫌われている
当家は 大工の家柄だったので 特に煩く仕込まれた
「そういう間取りの家に住んではいけない やむを得ずそうなった場合は 鬼門除けのお札を必ず頂いてこい」
私的な仏教感や遍歴を話し出すと長くなるので割愛するが
個人的にはかなり以前 20代の頃から 「毘沙門天」様を 深く信仰している
全国の毘沙門天像巡りにも 何度か足を運んだ
そして奇妙なご縁を頂いて 最も敬愛する毘沙門天像に 巡り会った
西の方は良くご存じであろう
京都の鬼門を封じる 鞍馬寺の国宝 毘沙門天像である
今では鞍馬寺は 鞍馬弘教総本山となり 本尊は 毘沙門天 千手観音 護法魔王尊(天狗様)の三尊である
この三尊が重なっているのが 鬼門除けのお札である
両面テープでしっかりと玄関脇に 張り付けていた
今まで落ちてきたことなど 無い
で
実際に剥がれ落ちていたのだが
だから 何だ?
単なる偶然かもしれないし
当てずっぽかもしれない
これだけで あのクライアントに連絡する気には とてもなれない
ということで
無視を決め込んだ
数日後
あのクライアントから メールを頂いた
何も頼んで送ってもらったわけでもない
正直 メールを開くのが鬱陶しかった
「先生 骨折に気を付けてください」
はぁ?
産まれてこの方 骨折というものを経験したことは無い
随分と痛いらしいが 幸いにも 未経験である
学生時代も競泳だったので そのような事故や故障とは無縁だった
一応最低限の礼節は保つつもりで 返信した
「お気遣いありがとうございます。 もう小生の身体への御忠告は結構ですので どうぞ ご自分のご心配をしてください」
それ以来 プッツリとメールは途絶えた
やれやれ
時々いるからなぁ こういうクライアント
まぁ、これも商売だから 避けて通れない か?
週末 何気に最寄りの駅まで買い物へ
その夏 初めて ビーチサンダルを引っ張り出し 「あぁ 夏だなぁ」とか思いながら歩いていた
別に 飲酒していたわけではない
ビーチサンダルの先っぽが 舗装していない道の穴にハマったらしく ちょいと転んだ
慌てて 左手一本で体重を支えたが 限界だった
左半身を強打した
余りの痛みに耐えきれず 翌日 整形外科に通院
左肋骨の六番~九番の剥離骨折
だった
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