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大人女性がいく日帰りわかさぎ釣り旅行 後編

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6.最大の楽しみ

わかさぎ釣りを終えた私たちは、呼んでおいたタクシーで、河口湖東側湖畔にある食事処「湖波」さんに向かった。わかさぎ、やまめ、ほうとうなど、山梨の郷土料理を食べさせてくれる昔ながらのお店だ。釣果をお店の人に渡し、半分をから揚げ、半分は天ぷらにしてほしいと伝える。

広いお座敷に通された。靴を脱いで座敷に上がる。背負っていた荷物をどかっと下ろして、足を伸ばす。あーー、落ち着く。
生ビールとほうとうを追加で注文し、料理が届くのを待った。

全員分の料理とビール(中1男子にはカルピス)が揃い、自分たちの日ごろの頑張り(育児・家事・仕事)と今日の頑張り(釣り)を半ばオーバー気味に慰労して、乾杯した。
ビールが最高に美味しい。疲れた体に染み渡る。枯れた砂漠に、恵みの雨がいきわたるような、そんな感覚。

揚げたてのわかさぎに手を伸ばす。

サックサクの衣。身はふわっと。食感のギャップがさらに食欲を誘う。
味付けも濃すぎず、薄すぎず、ちょうどよい。魚の臭みは全くない。

1人1枚ずつあった大皿。山盛りのわかさぎがすごい勢いでなくなっていく。やっぱ釣りたて、揚げたては美味しい。ほんと、最高。
わかさぎは天ぷらが有名だけど、から揚げも美味しいね。

わかさぎをつまみに、アラフォーアラフィフ女の話が盛り上がる。
このメンバーは娘が3歳から始めたダンス教室のママ友なのだけれど、あのときはどうだったという話から、最近の家庭や仕事の出来事、将来への妄想など。犬も食わない話が、とどまることをしらず展開されていく。話が途切れるのを待つなんてお上品なことをしていたら、とり残されるよ?
お互いの性格も環境もよくわかっているから、変な気を遣う必要がなくて、話すのも楽なのだ。

7.帰路

帰りのバスの時刻が近づいてきたので、そろそろお開きにして、残ったわかさぎをパックにつめ、お会計を済ませた。
店を後にし、河口湖駅まで歩いてむかう。ちょっとカロリー取りすぎたから、せめてものね。
駅前でおみやげを買って、帰りのバスに乗った。

バスに揺られているうちに、うとうとしてきた。
疲労感と満腹感、それにアルコールの酔いが、心地よい眠りを誘う。

気づいたら、降りるバス停が近づく時分だった。
ほんと、高速バス移動ってすぐだわ。寝て、起きたら、もう着いている。

日本中どこでも行きたいと思った場所に、直通バスがあればいいのに。
楽ちん旅行、万歳。

帰宅すると、息子が家にいた。わかさぎのから揚げと天ぷらを出してやると、うまいうまい!と一人ですべて平らげてしまった。夫と娘には内緒にしておこう。

普段、息子は魚をあまり食べないんだけどね、これは別格なのね。うんうん。息子の食べっぷりに再度満足する私。

こうして私の日帰り旅行は幕を閉じた。

8.旅行後記

大人が愉しむ大人のための旅行。いろんな発見があって楽しかった。
息子に話をして聞かせたら、次は息子も行きたいという。
冬の愉しみが一つふえたよ。

おわり




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