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決算書の読み方 損益計算書

決算書の読み方というような書籍はよく出版されており、ご覧になられた方もおられると思います。

スパルナ会計では、毎月作成される試算表を一緒にご覧いただくことで決算書をどのように見るべきなのかをご説明しております。

とはいえ経営者と税理士は学者ではないので難しい考えは不要です。
①異常が発生していないか(内部の目線)
②外部からどう見えるのか
③過去と現在からどう将来を予測するのか
がわかれば十分です。

一般的な中小企業・個人事業の決算書は、大きく貸借対照表と損益計算書から成り立っています。補足資料としてキャッシュフロー計算書があればなおよしです。

損益計算書は読んで字のごとく、事業で損が出たのか利益が出たのかを計算する書類です。
損益計算書は、営業損益の部・営業外損益の部・特別損益の部・当期純損益の部と4つの部で構成されています。

どうしてわかれているのか?

例えば、「今期は、売上が1000万円で100万円の黒字でした」という報告を受けたとします。たいていは喜ぶべきところなのですが、続けてこのような報告がありました。

「今期の粗利率は30%で原油高により原価が高騰しているため、低調となっています。対して販売管理費は車検が数台分と新規の賃貸契約があったため増加し450万円でした。」

この報告からわかるのは、売上1000万円で粗利が30%だから、300万円の売上利益があったけど販管費で450万円もかかったから、150万円の営業赤字です。でも100万円黒字だった?

損益計算書をよくご存じの方がこの話を聞くと、150万円の赤字+100万円の黒字=250万円の利益が営業外損益の部または特別損益の部で発生しているなと想像されることでしょう。
このように、決算書が4つの部に分かれていることで利益の発生源がどこなのか、という分析ができます。


  1. 営業外損益で250万円利益がでるならこれは受取利息か受取配当金・雑収入があるのかな?

  2. 特別損益で250万円利益がでるなら固定資産を処分したのか、保険金か、はたまた計算上生じたなにか、かな?

さてこの一連のお話を読まれて、皆様はどう思われましたか?

「この会社は営業損益の部では150万円赤字・営業外損益の部または特別損益の部では250万円利益を出している。営業損益の部の赤字の原因が粗利益率の減少、固定費の増加だった。」

そこまではわかりました。
次にこの会社にお金を貸すという目線で損益計算書を見るとして、何を考えるべきでしょうか。

まず貸主としてお金を貸すかどうかを決める判断基準として、(たくさんあるけれども)誰でも思うのは「貸付期間の間、利益を出し続けられる会社なのか」ということです。
赤字だとお金を返せないだろうというのは誰でも想像がつくことです。
でもこの会社は総じては黒字だったという事実をどう評価するのか

1.利益は損益計算書上どこから出ているのか
2.なぜ利益が出たのか、損失となっているのか
3.それは続きそうか

そういう目線で損益計算書を見ると、勘定科目や数字からいろいろなことが浮かび上がってきます。

さて、御社の損益計算書はどうですか?
ご自分の会社をよその会社として、ここにお金を貸すという視点でみたとき、どのように見えますか?
前期はどうだったかな?毎月で見たらどうなっているのかな?そんなお気持ちになっていただければ、決算書はそんなに難しくないものとなるでしょう。


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