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融資を受けるということ

 法人は法律上、倒産しない限り死なない人間扱いをされています。つまり会社は経営者とは別の人間であるという意味でもありますので、「私の会社は私のものなのだから会社のお金をどう使おうと勝手」ということは許されません。他人のポケットに手を突っ込んで無理にお金を奪うことは泥棒するのと同じ、業務上横領といいます。経営者として成功したい、夢をかなえたいと強く願うのであれば、法人のお金と個人のお金はきちんと分けておかなければなりません。法人のクレジットカードは金庫に保管して普段から持ち歩かないようにし、通常必要な現金だけを小口現金として保管して使うようにすることが望ましいです。

 さて、借金をすることについてあまり良いイメージが無いようで、抵抗感を持たれるお客様もおられます。もちろん無借金経営は理想の姿です。それは、いつかは必ずそうありたい姿であって、設立当初から無借金というのは無理な話です。まずこの話を始める前に弊所が理想としていることを共有したいと思います。

理念にある「事業の繁栄と永続」は、効率よく経営をして事業を長く続けることを理想としています。効率のよい経営とはどういうことなのか、お話をします。

 とある税理士の先生が「融資とは金利を払って時間を買うことだ」とおっしゃっています。
いつかは最先端の機械を入れて今の2倍稼ぎたい!と思ったとしましょう。
貯金をしていくというのはいい方法だと思いますが、売上げが確保できるかは不明瞭なので、確実に貯められるかわかりません。しかし、融資を受けられたらそれを待たずに早く2倍稼ぐことができます。

昨今ファイナンス思考という言葉が唱えられていますが、その思考の中に「今のお金の価値は未来の同額のお金の価値よりより高い」という考えがあります。簡単にいうと今のお金を運用すれば金利がついて将来の同じ額のお金よりも増えているということです。運用は事業に使うこと、金利は事業に使って生まれる利益のことと思ってください。たとえば今借りた1000万円で機械を購入し、利益が100万円生み出せたら10%の金利ですから、3年後は300万円増える訳です。3年貯金で1000万円貯めて同じように増やそうと思ったら、さらに3年で6年かかってしまうというわけですね。

 融資を受けることは、資金繰りを良くすることでもあります。たとえば先ほどの3年でためた現金1000万円を機械に変えてしまったら、その現金は二度と現金に戻りません。売るとしても二束三文になるかもしれません。ご自身の会社はよくても取引先が倒産して売上金が入らなくなったとき、仕入れ先に支払を待ってくれということは難しいでしょう。そのとき、「あの1000万円を使うんじゃなかった」というのでは手遅れです。

 現金を出すときはできる限り少ない金額をゆっくりと支払う、現金が入るときは可能な限り早く、というのは資金繰りを良くするための鉄則です。
そのために掛け払いをする・融資を受ける・分割払いを利用する・リース契約をする、ということが必要となってきます。

 ここでお伝えしたいことは、効率よく経営をするというのは、融資を受けることで資金繰りを良くすることが可能になるということです。そのため、スパルナ会計では「いつでも必要な時に必要な額を銀行から借りられるようになること」を法人の理想の姿としています


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