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【散文詩】半自動筆記に因る夜想曲(3)-3<完>:『涜聖の真珠母』-3<完>

 まるで機関銃の弾が切れた時の様に、其の天才には不幸が訪れた。彼は静かに、枯葉の舞い散る中に佇んで居た。
 樹々の間を吹き抜ける風が、シューベルトのピアノの階音メロディを振り撒きながら通り過ぎた。
 彼は、
20番目の楽譜が引き終わらない内に、
高い樹から吊り下がって、居た。

<了>

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