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朝藤健太
2022年6月15日 21:45
春に咲いた桜が散っていき、楽しみにしていた予定が雨で潰れていく。そんな季節になると、あるオヤジのことを思い出す。十五年前、僕がまだ小学一年生の時にオヤジはうちの隣の空き家になっていた一軒家に引っ越してきた。どうやらオヤジは東京の都心から来たみたいで、口を開けば田舎の悪口ばかり。そんなんだから、うちの親も向かいの家族もみんなすぐに彼を煙たがるようになった。今思えば厄介者扱いされていた理