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なぜ特別支援学校で交際禁止7割?視点を変えることの重要性

2023年7月、共同通信から「特別支援学校高等部の7割が交際禁止や制限」という記事が出ました。知的障害のある人の人生に踏み込んだ事件がきっかけで、次々と出たので、この記事にある「交際禁止7割」について障害のある子の親として、一人の人間としても考えてみたいと思います。


昨年、北海道のグループホームで、結婚を希望する知的障害者が不妊処置を受けていた問題が明らかになった。知的障害者の出産・子育ては「どうせできない」と、認められないケースが少なくない。青春時代の恋愛についても、特別支援学校高等部の7割が禁止や制限をしており、さまざまなルールを課されている。(共同通信=船木敬太)

引用:47NEWS

特別支援学校はトラブル防止のため交際禁止!

特別支援学校高等部で7割が交際禁止というニュース。

娘が通っていた支援学校では、過去に妊娠した生徒の話しが保護者の間で話題になっていました。なので「(交際禁止と)これくらいハッキリしていた方がいいのかな」と、親としては思っていました。

ただ、記事を読むと大人たちが、当事者の思い、気持ちを大事にしていないことに気付きます。どうして禁止なのか?を説明できた親や教師はいたのでしょうか?

「学校外で2人きりで会ってはいけない。会う際は他の人も同席する」「手をつないではいけない」。2年生の時に同じ学校の男子生徒と交際した際、高等部の先生を含む周囲の大人たちに求められて「約束」をした。彼女が望んだわけではなく、今でも納得できない思いを抱える。「どれだけ自分たちは信用されてなかったんでしょうか」

引用・47NEWS

腑に落ちない二人の思いを聞くと、「どうしてなのか?」を説明できていない背景が見えて残念でなりません。

腑に落ちれば、あっさりしているASDっ子たち

知的障害とASDのある娘は、腑に落ちれば実にあっさりしています。けれど有無を言わさない命令や言い方には、反発と抵抗、こだわりが強く親を悩ませます。

約束に反発して、こっそり2人きりで花火大会に行ったことがある。「花火でデート、あこがれだったんですよね」。だが、2人で出かけた姿をたまたま見つかり、先生たちに呼び出されてこっぴどく怒られたという。「健常者の人たちはこんなことを言われない。どうして私たちだけ言われるのか。何か問題を起こしたわけでもないのに」

引用・47NEWS

でも、納得できないことを強いられた時、反発するのが人間じゃないでしょうか?それは障害の有無は関係ない。親としても一人の人間としてもそう思います。

ルールを守れ!だけでは納得できない。では、どうするか?なのですが、一歩踏み込んだ対応が出来なければ、当事者たちと親、先生は平行線のままでは?と思います。

ロックな娘に向き合う!

抵抗、反発を繰り返す娘、実はRockなんじゃないか?と思えたら、私は楽になりました。

「ごめん、それ説明不足だったよね?」という場面を何度も繰り返し、その中で、腑に落ちるとあっさり!を発見しました。

「私だったか~」とわが身を振り返った瞬間、私自身が腑に落ちました(笑)

ルール(約束)と心を育むは大人の仕事

納得できない二人の生徒の気持ちに一歩踏み込んだ大人がいたら、インタビューの内容も少し変わったのではないでしょうか。

約束だよ、ルールだからね!

ついつい発してしまう言葉なのですが、そう言われて「OK」と言われるためには、本人の納得が条件なのだと思います。

臨床心理士の愛甲修子さんの本は、「ルールを守れるにはどうすればいいのか」を丁寧に解説しています。私も本を読んだからこそ、娘と敵対せずに済みました。

「健常者の人たちはこんなことを言われない。どうして私たちだけ言われるのか。何か問題を起こしたわけでもないのに」と記事にあるような差別意識だけを生んでしまわないよう、知的障害のある生徒との関係性を考えながら、保護者も一緒になって学んでいければいいなと思います。

その為にも学校が規制する場ではなく、人間が育まれる場所になってほしいですね。

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