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いのち一つ

 輝くブロンドに、真っ赤な唇。少し眠たそうな、でも生き生きとした瞳。そして何より、アニメみたいなあのナイスバディ。

 誰もが知る、20世紀最大のセクシー女優、マリリン・モンロー。



 皆さんは、紳士は金髪がお好き、という映画をご存じですか?ブロンド美女ローレライ・リーと、黒髪美女ドロシー・ショー、正反対な性格ながら親友のショーガール二人が、船の上で、そして華の都パリでしっちゃかめっちゃかやり放題なロマンスコメディーです。

 いわゆるシンデレラストーリーで、貧しい育ちの彼女たちが、最終的には男も金もゲットしちゃう、というお話です。まあ、今の時代ですと、フェミニストの方々からお説教を食らってしまいそうな展開ではありますが、見終わった後には爽快な気持ちになるような、そんなお話です。

 マリリン演じるローレライは、美人だけどちょっとお馬鹿さん。(でもちゃっかりしていて、最終的にはすべてうまくいってしまう)お金やダイヤモンドが大好き。彼女曰く、「お金がなきゃ恋愛はうまくいかない。お金の心配ばかりしてたら、相手を愛することなんてできないもの!!!」
 う~む、一理ありますわな。

 そんなローレライの親友、ドロシー・ショーを演じるのは、ジェーン・ラッセルというこれまたセクシーなレディです。マリリンよりも先にセクシー女優としての名をとどろかせており、マリリンにとって「頼れる姉御」みたいな存在だったみたい。ドロシーは聡明で、結婚はお金だけでするもんじゃない、と思っている。そして、親友のローレライのことが本当に大好き。ローレライがいろいろやらかして、法廷で裁かれることになった時、ドロシーは彼女のふりをして、裁判所へ行きます。そこに、マローンという男が現れます。ドロシー、実はマローンのことが好きなのですが、マローンはローレライを裁判で負かそうとしている。そこで、「親友のドロシーは、私のことを救いたいと思ってる。そして、あなたのことも愛してる。けれど、もしあなたが私を悪く言うなら、もう二度とあなたには会わないと言ってるわ」 と、ローレライのふりをして言います。このシーンが一番好き。ドロシーの賢さと、親友への思いと、恋人への愛の告白。これを同時に味わえるんですぜ?!?!

 ローレライは、いわゆる「魔性の女」として描かれています。だいぶ抜けてるとこがあるけど、それを逆手にとって、男をひっかけまくるのです。しかも相手は金持ちばかり!!!
 一見すると女の敵ナンバーワンみたいな人ですが、なぜか、彼女のことを憎めない。それはきっと、彼女に悪意がないから。

 誰かを出し抜いてやろうとか、いじめてやろうとか、そういうことは思ってない。そして、ローレライもまた、ドロシーを大事に思っていて、何とかして金持ちの男とくっつけようとする。

 ほんとーに、彼女のお金に対する熱量には感服ですが、それも彼女なりの理屈があってのこと。最終的に、金持ちの男と結婚に至るのですが、その父親は、こんな女と息子が結婚なんて!!!とご立腹。そこでローレライは、「でもきっと、あなたが娘の母親なら、娘をより裕福な家庭へ嫁がせたいと思うはずですわ!!」と反論。それを聞いた父親は、むむ、もしかしてこの娘、賢いのでは??と思い直し、結婚を承諾。ドロシーも無事マローンと結ばれて、めでたし、めでたし。(実はこのマローン、親父さんが雇った探偵で、ローレライになにかスキャンダルがあったら証拠をつかむこと!!!と言いつけられていました。いや~すごい結末)

 とまあ、映画の内容はこんな感じ。頭を使わずに、わはは~と見れるので、疲れたときとかに見てみてね。

 そんで話は、マリリンとジェーンに移るのですが・・・。

 先ほど述べたように、マリリンはジェーンを慕っていたようです。セクシーで大胆な役柄を多く演じているイメージですが、実際のマリリンは非常に神経質で繊細な人だったみたい。学がないことを気にして、本をたくさん読んだり、鏡の前で何度も笑顔の練習をしたり、当時は珍しいジム通いで筋トレしてたりと、努力の人でもありました。

 当時のマスコミは、演者のプライベートとかお構いなしに、ずけずけ聞いてくることが多かったそうです。さらに、女優となると、今ならセクハラで訴えられちゃうようなこともインタヴューしてたようで・・・。マリリンは、あまりそういった受け答えは得意じゃなかったみたいで、この映画の撮影中のインタビューなんかは、ジェーンがマリリンをかばってあげることもしばしばあったそうです。ジェーンは今でいうサバサバ系。当時は、女優の露出の多さに眉を顰める人も多かったそうなんですが、彼女は、「肉体は隠すから汚くなる。太陽の下でさらせばさらすほどきれいになるのよ!」とのたまったそう。姉御~~~!!かっけえ~~~~~っ!

 36歳という若さで亡くなったマリリンの死に際し、ジェーンは「大変チャーミングで繊細で素敵な人でした」と述べたという。


 本人の気持ちはわかりませんが、マリリンは、映画の中での自分のイメージと、実際の自分がかけ離れていくことがつらかったのではないでしょうか。「ただセクシーなだけ」という批評を気にして、女優の地位を確立してからも、演技学校に通っていたという彼女。でも結局、与えられるのは男を惑わすちょっと間抜けな女の役ばかり。睡眠薬で亡くなる前にも、精神に不調をきたして薬物の摂取などを繰り返していたそうです。

 本当の彼女は、思慮深くてストイックな女性だったんじゃないかな~と想像してしまいます。もし、役柄と同じような性格だったら、長生きしていたのかな、とも思ってしまいます。

 人生の長さは違えども、ジェーンもマリリンも歴史に名をのこす名女優。こういった人たちを見ていると、自分の命の使い道は何だろうな?と思ってしまいます。

 それでは、この辺で、さようなら。


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