女子アイドルから考えるキャリア形成について―ブルーオーシャンを目指せ―

私はキャリア形成や人生について考えるのが好きです。
あくまで私個人の考えになりますが、誰しも人生レッドオーシャンで戦うのは得策ではないと思うんです。
アイドルに限らず今の社会で誰もが目指しているのは「複数の分野で専門性を持つことで、自分の希少価値を上げること」かなと思います。
例えば歌が上手いアイドルはたくさんいるけど、SNSで面白いマンガが描けるアイドルだと途端に希少性が上がるみたいな感じでしょうか。

都内はただでさえ他の地域と比較して若い女性の希少性が相対的に低い世界です。日本全国から進学や就職のために若者が集まってくるからです。
東北や北関東など製造業が多い地域には比較的若い女性が少ないみたいですね。

更にその中でみんながやりたがるモデルや女優、アイドルのような職業を目指すというのは誰しも憧れるような超絶レッドオーシャンであり、成功する可能性は限りなく低いと思う。

あまり言いたくないけど若さや美貌と言うのは大きなアドバンテージであり、同時に減価償却的なものでもありますよね。
でも、女優やアイドルのような職業を目指していると、そこで若く美しいことはむしろ当たり前のことになってしまうので、自分のアドバンテージを活かせないと思います。
競争が激しい世界で容姿がいい、ダンスがうまい、歌がうまい、ファン対応がいい、というのは特技というよりむしろある程度は出来て当たり前の足切りラインになっている気がします。

なぜこんなことを考えているかというと、アイドルとは次元が違うにしても自分がなんとなく文学部に入り文系総合職を目指すというレッドオーシャンに突入してしまい、当時買い手市場だったこともあり死にものぐるいで就活するはめになったからです……。
そこでは出身大学の偏差値が明確な足切りラインになり、運動部主将、バイトリーダー、留学経験、難関資格というアピール合戦が繰り広げられていて平凡な私はすっかり疲弊しました。

実は今のアイドルがやっているのってこういうことだと思うんですよね。
アイドルという職業で普通にやること以外に自分のアピールポイントを見つける、ということです。
今ほどメディアが発達していなかった時代はオーディションに受かって大手事務所に所属し、TVに出られるような人だけがいわゆる芸能人でしたが、インターネットの発達によって個人での発信が容易になり、参入障壁が低くなった結果競争は激化したものと思われます。

例えば高学歴×アイドルはむしろ飽和状態の気がします。
アイドルとして学歴が明確な売りになるのはいわゆる早慶東京旧帝一工、みたいな日本のトップ大学のみになっていると感じますが、芸能活動しながら受験というのは非常に厳しい。両立している人すごすぎますよね……早慶附属上がりが多いのかな。

それ以外にも出つくした感あるくらいみなさん色々なことにチャレンジしていますよね。
例えば、車、バイク、ラーメン、ゲーム、アニメみたいな男性が好きそうな趣味をアピールするというのもよくある気がします。
別にビジネスでやっていると言いたいわけではなく、むしろ大好きじゃないとマニアックな人を相手に語れるレベルにまでなれないと思うので自分の趣味を仕事に活かせていてすごい。

コスメやメイク、洋服が好き、という趣味を活かしてメイク動画をアップしたりして女性ファン獲得を目指している子も多いですよね。
私はメイク動画で有名になった元NMBの吉田朱里ちゃんが好きでしたが、今はそういう活動も以前よりレッドオーシャンになってきているのを感じます。

ほぼ１人しかいない変わったコンセプトでアイドルをするというのもいいと思うのですが、それをどうやって実利に活かしていくかというのが問題でしょうか。
私の推しも変わったコンセプトなのですが、コラボにつながりやすかったり初見で覚えやすいのはいいなと思いました。

文系総合職においても1人しかいないとまではいかなくても、明確に自分が得意なことをアピールできる人は強いと思う。
例えば教育だと分野的に文系出身が多いので、情報系の勉強をしていてITに強い人は即戦力になっているのを感じたりしましたね……。
あと「SNS発信が得意」とか「デザイン系のソフトを使うのが得意」な人が広報やっていたりするのもよく見るかも。

司書時代も「自分の専門分野を持つのを目標にするべき」って上司に言われたりしました。
私は文学部出身で本は特に小説が好きですが、そういう人は多いので人と差別化するのが難しかったです。司書もＩＴスキルがあると重宝されるのは感じたかも。

うーん、なんかアイドルどころではなくて自分がもっと明確に得意分野を持てるように頑張らなければいけないっていう結論になってしまった。