地方公務員 最下級管理職(1)
-サイコパス市役所でのラスト10年-
20代の若手職員が目の前で居眠りをしている。我慢がならない。言わなきゃいいのに。何度も逡巡した。何度も何度も黙っとこうと思った。でも無理だった。ついに口を突いて出てしまった。
「寝てんなら帰れよ。午後、現場だろ。居眠りしてる奴がヘルメットかぶんなきゃなんねえようなところへ行けるわけねえだろ。帰れ。」
私が社会人になってやった唯一のパワハラだ。
「はぁ~?何言っちゃってんの?あんたは俺の上司じゃない。」なとど反抗され、大きな音をたてて長幼の序が崩壊する音が聞こえた。
私は、この時、このまま昇任せずに定年まで10年間働くのは無理だと悟った。
酒が飲めないし、職員人生の中で色々な事に従事させられすぎたため、かえって腕に覚えが無いし、正直すぎて上にウケが良くないことを自覚していたので昇任は無理だと思って定年までヒラで全うしようと思っていたが・・・。
昇任したことが未だに正解だったかはわからない。
定年間近まで在籍できたという意味では正解かもしれないし、メンタル障害を患わずヒラで全うした場合と比べ所得面で何ら上積みが無かったことを考えると微妙だ。
もっともヒラのままでは、どれだけ若者にコケにされたことか。(つづく)
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