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原発は発電コストが最も安いとされているが、イニシャルコストとランニングコストを合わせたものを言うのか、どこか定義のようなものを都合良く操作しているのか判然としない

ソフトエネルギー社会(54)
 
(4)正しい発電コスト
 
 原発は発電コストが最も安いとされている。ただし、イニシャルコストとランニングコストを合わせたものを言うのか、どこか定義のようなものを都合良く操作しているのか判然としない。

このような疑念は一旦脇に置いておくにしても、元来はコストが最も安いとされてきたが、東日本大震災による福島第一原発の事故で、そうではなくなってきているようである。

事故による賠償金額や事故対策設備の費用、また、廃炉費用がかかるようである。

このことにより、経済産業省が「電力自由化により、原発を所有する電力会社の経営環境が厳しくなる」として、事故時の電力会社の賠償範囲を縮小するなどの検討を始めたほどである。

 金銭面だけ見ても、ひとたび事故が起ころうものなら際限なくコストが膨れあがってしまうし、対処のために、新たなエネルギーや物的資源が必要になることは言うまでもなく、近隣住民は避難を余儀なくされ、事と次第によっては、永遠に帰宅できないなどの事態にもなりかねない。

 事実、未だ帰れない方々が大勢いる。

 金銭的ツケ払いは、電気代にしても税金にしても結局は国民が払うことになる。何も生産しないもののために。(蓮池透「告発」ビジネス社)(つづく)

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