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突然の方針変更

地方公務員 最下級管理職(13)
 
岩崎のことについて何度も職員課にいろいろ打診しましたが梨の礫でした。
 
ところが、1月下旬になって突如、職員課安全係長から、病気休暇が満了するので、主治医と会って分限休職処分も視野に入れて方針を定めてほしい、と依頼の電話がありました。いままでダンマリを決めていたくせに、あまりにも突飛な話でしたので、私は椅子から転がり落ちそうでした。
 
岩崎の分限休職処分については、すでに2年10カ月消化されており、あと2カ月しか取得できず、メンタル休職の場合、本市は慣らし勤務をかならず設ける方針となっており、これに充てる休職期間が確保できないから事実上もう休職できないという公然の了解が出来上がっていました。そのことを承知で、以前から私は休職を含め病気休暇満了前に一定の判断をすべきと再三言ってきました。
 
病気休暇を今回もいっきに90日使い切ることとなったので、病気休暇あけにフル稼働は不可能と判断していましたし、残っている2カ月の休職を使えば慣らし勤務もできる、休職という分限処分に持ち込めば分限免職の道も開けるという持論や希望もありました。
 
安全係長に、突然どうして動き始めたのか尋ねましたが、とぼけていました。
 
主治医に会って、休職の説明もしたうえで岩崎をどうするのか決めてほしいという要求でした。ちゃんと休職の説明ができるかと安全係長に聞かれましたが、安全係長の求める水準が全く分かりませんし、自分でも安全係長ほどは詳細には説明できないことはわかっていましたので、結局、安全係長の同行も求めました。
 
主治医との面談は、主治医、岩崎、西部センター長、私、安全係長で行われました。月曜日でした。
 
その席上、安全係長は持参した資料から岩崎の選択肢は次の3つであることを示しました。病気休暇後フル勤務、病気休暇後2カ月休職して失職、病気休暇後2カ月休職してフル勤務です。休職中の勤務形態は本格的に休業するものから慣らしにいきなり入るなどレンジが開かれてはいましたが、岩崎はかつて休職したこともあり、処分は嫌だと言って病気休暇後の金曜日からのフル勤務を選択しました。
 
主治医の本意は「2月いっぱい休んでどうかな」というお言葉でしたが、岩崎が休職を選択しませんでしたので結局2月からフル勤務となりました。ただし、主治医からの指示で、職場でのフォローが必要ということになりました。(つづく)

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