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核廃棄物の最終処分場がない

ソフトエネルギー社会(57)
 
(2)核廃棄物の最終処分場がない
 
  「告発~日本で原発を再稼働してはいけない三つの理由」(蓮池透 ビジネス社)に詳しく書いてある。以下、要約、抜粋する。

 使用済燃料は細断・溶解され、化学的処理により、再利用可能なウランやプルトニウムが抽出・回収される。

 その際に、核分裂生成物を含んだきわめて放射能レベルの高い廃液が出る。この廃液を、高温で融かしたガラスと混ぜ、円筒形のステンレス容器に入れて固め、「ガラス固化体」(直径約40cm、高さ約130cm、重さ約500kg)にする。これを、高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のゴミ」と呼んでいる。

 ガラス固化体は、長期間の安定性を有する化学構造であるとされるが、発熱し高温状態を保ち、かつ人間が接近した場合約20秒で死に至るほど高い放射能がある。

 青森県六ヶ所村にある日本原燃再処理工場は、破綻し稼働していないが、英・仏の工場へ再処理を委託し、そこから返還された約1830本のガラス固化体が存在する。2018年6月末現在、国内で一時貯蔵されているガラス固化体は、約2000本である。

 現時点で、国内には6万体以上の使用済燃料が貯蔵・保管されているが、これらをすべて再処理すると、約2万5000本ものガラス固化体が発生する。こんなに大量のガラス固化体の処分方については、まったく目処が立っていない。

 そこで、20世紀も終わりに近づいたころ、ようやく地下300m以深の深い安定地層に埋設し、人間の生活環境から隔離したうえで、〝10万年以上の年月〟をかけて放射能を安全なレベルまで減衰させる「地層処分」を採用することが決定された。

 しかし、これを受け入れてくれる自治体など、普通に考えてもあろうはずもない。

 ましてや、この日本列島に10万年以上安定な地層など探すこと自体無駄だと素人は考える。(つづく)

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