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目が回るほど忙しかった異動後の4月・・・。末端の指導主事が「教員勤務実態調査(令和4年度)【速報値】」を読んで思ったことを、とめどなく記しておく。

指導主事になって5年目。
この4月に異動になり役職が1つ上がり「主査」になりました。
部署も変わって所管する市町村数が少ないところに。
以前のエントリー「指導主事は”タテ社会?”小学校の先生が指導主事になって驚いた教育行政の仕組み」で書いたとおり、立場的には一般教員から教頭職になったことになります。

主査になったものの、これまでよりも指導主事の人数が少ない部署になった分、主査の業務+指導主事の業務の一部を行うことがあり、やっていることは今のところさほど変わっていません。

それにしても、この4月はものすごく忙しい日々でした。
新たな職場でスケジュールに押し流されるように多くの業務をこなしてきました。


特に大変だったのが、年度初めの4連続会議。
教育長会議、校長会議、教頭会議、市町村指導主事会議。
この4つを3年ぶりに対面で、1週間の間に行うという厳しいスケジュール。
多くの会議の準備は遅くとも3週間前には始めるのですが、
異動だったこともあり、赴任してわずか1週間で全部を準備するという途方もない業務量でした。

毎年思っていることですが、
学校も教育委員会も、せめて4月の第1週は
年度始めに業務全体を見渡す余裕のある期間となれば、と思っています。

今日はこのことについて、思ったことをつらつらと・・・。


1.「教員勤務実態調査」を読んで、今の立場で感じたこと

さて、先日、文部科学省が「教員勤務実態調査(令和4年度)【速報値】について」を公表しました。
いろいろなメディアでの報道にあったとおり、危機的状況だと思います。

noteのような場で、指導主事であることを公表している私が言うのはあまりよくないのかもしれませんが、
この4年、200校近くの小・中学校を訪問してきて思うことは、現場でやっている努力は限界です。
もう、学校教育法施行規則や学習指導要領等の制度を変えるしか方法はないと思います。

法律などを変えるのは難しいでしょう。
でも、法律等に基づいて教育行政としての業務を行っている立場としては、そこが変わらないと「こういう工夫ができますよ」ということができません。

私のような末端の指導主事には制度を変える力がなく、本当に悔しい。
この調査結果が、社会を動かす大きな力となってくれることを望んでいます。

2.時間外勤務削減のための「私の」アイディア


いろいろな方が「教員の時間外勤務削減のアイディア」を述べています。
部活動の完全地域移行、変形時間労働制の活用、給特法の改正・・・。
全て実現するためには、学校だけでなく、社会全体が変える必要があります。

私は、標準授業時数を減らし、週当たりのコマ数を1~2時間、できれば3時間減らすことが最もよいと考えています。
教員にとっては日々の授業が最も大事。
その準備に充てる時間を勤務時間内に確保するには、その方法しかありません。

現行の学習指導要領が示されてからもうすでに7年経ちました。
およそ10年サイクルで新しくなる学習指導要領。
実はすでに新しい学習指導要領の検討が始まっています。
しかし、「標準授業時数を減らす」という検討がされているという話は聞こえてきません。

標準授業時数を減らすには、当然、指導内容の削減も検討しなければいけません。
過去の「ゆとり教育への批判」から、指導内容を減らすことにかなりの抵抗があるでしょう。
しかし、現行の学習指導要領は「教育観の転換」を求めています。
社会全体が変わっている時代に学校だけが取り残されていてはいけません。
学校教育で何が本当に必要か、整理する必要があると思います。

3.4月スタートにもっとゆとりを!入学式・始業式の時期は「市町村教育委員会」の判断で変えることができる。


この記事にある取組に、知り合いの紹介で少し関わらせていただきました。
教育委員会指導主事としてではなく、全国の先生を応援する1人として。

調べていて知ったのですが、
公立小・中学校の始業式や入学式の時期は、市町村教育委員会の学校管理規則によって決まっています。

私は指導主事になる前、小学校教員だったのですが、
1学期始業式や入学式の日は、慣例により他の市町村や全国の流れから決まっていると思っていました。

ある町の学校管理規則にはこう記載があります。
「学年始休業日 4月1日から7日以内」
つまり、4月7日までに新学期をはじめましょう、ということになります。
例えば、この「7日以内」を「14日以内」に変更できれば、学校の裁量が広がり、始業式や入学式の時期を遅くすることができます。

このことを受け、昨年度中に学校管理規則を変更した自治体もあると聞いています。
こうした動きが、少しでも広がっていくことを期待しています。

最後に

思いつくままにつらつらと書いてきましたが、まだ今年度はスタートしたばかり。
環境が変わりましたが、まずは自身の健康と家族の健康を第一に仕事をしていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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