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運動会も発表会もない。指導主事の”季節感”は「計画書と報告書」とともに・・・

4月の「入学式」
春から初夏にかけて全国的に行われる「運動会」
そして、秋から冬にかけては「文化祭」「学芸会」「学習発表会」
そして、3月の「卒業式」

「働き方改革」、「行事の意義の見直し」などで、昔に比べて形は大きく変わりつつありますが、学校では、行事によって季節を感じることがあると思います。

私も小学校に勤務していた時は、学校の行事と季節が感覚的に結び付いていましたし、一番多く経験した6年生の学級担任の時は、『だいたい秋にはこの学習かなぁ・・・。』のように、学習内容が思い浮かぶこともありましたね。

さて、指導主事になって1年目。
以前も書いたとおり、学校から指導主事になることは「ほぼ転職」です。
<前の記事>
ミドルリーダーと呼ばれるようになったら考えてみては?教員のライフプランに「指導主事」?


とはいえ、教育委員会だって学校に関わる仕事なんだから、”季節感”はあるのでは?
たしかに、教育委員会指導主事も“季節感”を感じる業務があります。
ただし、それは行事ではなく書類、特に「計画書と報告書」です。

指導主事が書類で感じる季節感、ちょっとだけ教えます。

1.年度は冬に始まり、冬に終わる?
2.指導主事が秋を感じる学校訪問の報告書
3.指導主事の「夏休み」はどうなってるの?

1.年度は冬に始まり、冬に終わる?

指導主事だけに限らず教育委員会では様々な書類を作ります。
市町村教育委員会に様々なことをお願いしたり指示したりする「通知」や「事務連絡」は1年中、いろいろなタイミングで出されています。

たくさんの書類の中で、2月あたりに集中するのが「計画書や報告書」です。

学校には学級担任の他にも”先生”がいます。
「退職して再任用された先生」「〇〇専科の先生」など地域によって呼び名は様々です。

このように『加配教員』として、法律に定められた教職員定数よりも多く配置される先生をどのように”活用”するのか。
今年度が終わる前のタイミングで学校から提出してもらうのが「活用報告書」
次年度が始まる前のタイミングで学校から提出してもらうのが「活用計画書」
つまり、2月は今年度の報告書と次年度の計画書がいっぺんにやってくる時期なのです。
その量といったら・・・。

指導主事には、提出された報告書や計画書をていねいに見て、不備があったり、わからないところや疑問に思ったことを確認したりする業務があります。
この業務が集中する忙しい冬の時期が来ると、「あぁ今年度も終わりだなぁ・・・。」とか「もうすぐ新年度の準備しなきゃなぁ・・・。」と感じます。


2.指導主事が秋を感じる学校訪問の報告書

もう1つ、指導主事が季節を感じるのが秋です。
通勤途中に紅葉を見たり、だんだん寒くなってきたなぁと感じたり・・・。
というわけではなく、学校訪問の報告書作成がピークを迎えるからです。

私たち指導主事がいわゆる学校訪問で何を見ているかについては、前の記事で紹介しました。
<前の記事>
訪問してくる指導主事は教室の何を見ているのか 100校以上の学校訪問で感じたこと

訪問を終えた後で待っているのが報告書作成。
報告書には、その学校の全国学力・学習状況調査の結果などの基本データのほか、参観した授業がどうだったか、研究協議の様子はどうだったかなど、訪問した指導主事が見て感じたことなどを記入していきます。

令和3年度は30校くらいの報告書を作成しました。
学校訪問の報告書を作る際に気をつけていることが2つあります。

1つ目は「2つとして同じ学校がないことを意識すること」
何を当たり前のことを・・・、と思うかもしれませんが、報告書として訪問の様子を書くと、どうしても同じ内容になりがちです。
その学校のよかったところ(これはちょっとと思ったことも含めて)特徴を記録に残しておくことが大事です。

2つ目は「他の指導主事に様子が伝わるように書くこと」
学校訪問は、スケジュールの都合などもあり、多くの学校で年1回になっています。
指導主事全員が押しかけるわけにはいかないので、訪問する指導主事は1人か2人になります。
「その学校の様子を実際に見てきて感じたこと」は、業務を進める上で、他の指導主事に共有することが大切です。

たくさんの学校に訪問する時期が秋。
つまり、指導主事が学校訪問の報告書を書きまくっているのが秋です。
過去3年間、なるべくためないように、そのつど書こうと思いながら、
なかなかうまくいかないなぁと感じる秋なのです。

3.指導主事の「夏休み」はどうなってるの?

学校には「夏休み」「冬休み」「春休み」があります。
いまだに勘違いされていることが多いのですが、先生方は子どもが休みでも勤務日です。
普段なかなか取得することができない年休などをとり、体や心を休める先生方が多い時期になります。

私も、小学校教員をしていた時は、7月末に終業式を終えると、次の学期の準備するために出勤し、世間がお休みとなるお盆の時期を少し外すように年休を取得して、実家に帰省したり、旅行に出かけたりしていました。

さて、指導主事の夏休みはどうなのか?
端的にいえば、指導主事の夏休みは「自分の業務の調整次第」です。

最近、教員の働き方改革の一環として、市町村ごとに「学校閉庁日」を設定し、管理職も含めた全職員が出勤しないようにしているところもあるようですが、「教育委員会閉庁日」はありません。

ただし、学校に連動して、教育委員会の仕事も動いています。そのため、指導主事の仕事も普段に比べるとあまり忙しくありません。
書類作業もこの時期は一段落。
机の上に未作成の報告書ややりかけの作成文書が山積みに・・・ということもあまりありません。

指導主事も学校の先生と同じように、自分の業務を調整し、早く終わらせたり、少し後回しにしたりして、この時期に休みを取得しています。

おわりに

小学校教員から指導主事になって驚いたことの1つが「書類を作成する業務の多さ」です。
最初の1年間は小学校に勤務していたときに感じていた“季節感”を感じる余裕はありませんでした。2年目、3年目と経験を重ねることにより、目の前の書類から季節感を感じられるまでになったのかもしれません。

指導主事の季節感について、振り返りながら書いてみました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。






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