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読書感想文22内田百閒著「ちくま日本文学001内田百閒」


面白かった。熱に浮かされた中で見た夢みたいな幻想的な短編ばかり収録されている。死んだ人が目の前に現れたり、狐が出てきたり、自分の兄を名乗る男とあったり(因みに主人公の「私」は一人っ子である)。エッセイも収録されている。借金術の大家を自称する内田百閒だけあって借金についてエッセイを書いている。生活が厳しいから借りる金は借金の中では下等で、一時の楽しみのために借りる金は上等らしい。だって給金は一ヶ月では増えないのでまた来月金を借りなければならない。一時の楽しみのために借りた金はその時だけ支出が多くなっただけなので次の月には返すことができる。たしかにその通りだがそんなことノウハウに書くものではない。読んでいる方は楽しいが、お金を貸している側は気が気でないだろう。







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