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日本三大奇書を読んでみた その一



 世には誰が決めたが、日本三大奇書というものがある。
 夢野久作の「ドグラ・マグラ」小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」中井英夫「虚無への供物」
 日本三大奇書!!なんとワクワクする言葉の響き。これは、是非読んでみなければと思っていたが…この三冊、かなり昔の本なので、中々、機会がなく先延ばしにしていたのだ。
 この度、日本三大奇書をよんでみようと思う。まず「ドグラ・マグラ」から始める。特別な理由はない。強いて言うならはじめに手に取ったからである。
 ドグラ・マグラは「これを理解したものは気が狂う」と言われる本だ。 
 特級呪物みてーだがれっきとした小説である。モチロン、作者の夢野久作は実在の人物で、出版している出版社も実在している。クトゥルフのルルイエ異本みたいな小説に出てくる架空の本ではない。  
 一応ストーリーの最初の部分だけ簡単に説明する。

 主人公は九州帝国大学付属病院の精神科で目を覚ます。そして自分で自分の名前を思い出せないことに気がつく。自分の名前を傍らの医師に問うと医師は「名前を思い出すことも治療の一貫なのです」と言って名前を教えてもくれないという状況でこのお話はスタートする。


 奇書と言う割にはふつうのストーリー運びであるがこの話で一番、特異なのは、語り口である。衒学趣味なのかやたら難しい言葉を使う。その上、話があっちにいったり、こっちにいったりして分かりづらい。 
 大抵の本なら二、三日で読んでしまうのにこの本にはもう一週間ぐらいかかっている。文章が下手なわけでも、日本語としておかしな言葉の使い方をしている訳でもない。なのに文章の意味を理解できてない気がする。 そして、作中に出てくるキチガイという言葉の多さ!
 キチガイ、狂人、狂院、狂死。キチガイ地獄。こんな言葉ばかり並んでいる。
 今、ドグラ・マグラの上巻まで読み終えたところ。下巻も読み終えたらまたnoteに書く。

 





 
 

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