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【ショートショート】幻の都市を追いかけて
この作品はフィクションです。
実際の団体や人物は関係ありません。
探偵のリアムは、異世界に存在すると言われる伝説の魔法都市の調査を依頼された。
依頼を持ち込んだのは、昔からの友人であり相棒の魔法使いノクスだった。
リアムとノクスは少年時代からの仲で、何度も共に冒険をしてきた。
「これで魔法都市が見つかったら、俺たちも有名になれるかもな」とリアムは冗談交じりに言い、旅の準備を整えた。
ノクスも笑って頷き「楽しみだな」と答えた。
旅の途中、ノクスは都市についての情報を話し、リアムを導いた。
道中、ノクスの知識と魔力に何度も救われたリアムは「お前のおかげで助かってるよ」と感謝の言葉を口にした。
二人は笑い合いながら、魔法都市を目指して進んだ。
数日後、ついに二人は魔法都市に辿り着いた。
壮麗な都市の中で、リアムは不安を感じたが、ノクスは「手分けして調べよう」と提案した。
リアムが探索を進めると、都市の一部が幻影のように消えたり現れたりする光景を目にした。
「何かがおかしい」とリアムは不安を抱き、急いでノクスの元に戻った。「ノクス、ここは一体何なんだ?」リアムの問いに、ノクスは冷静に答えた。
「何か仕掛けがあるのかもしれない。中心部へ行って確かめよう」
二人が都市の中心部に進むと、ノクスが突然冷たい笑みを浮かべた。
「リアム、ここはただの幻影だ。君をここに導くための罠だったんだよ」とノクスは言った。
リアムは驚愕し、「なぜそんなことを?」と叫んだ。
ノクスは静かに答えた。
「君がいる限り、僕は影に追いやられる。だから、君を消すんだ」
リアムはノクスの態度の急変にとまどいながらも冷静さを保ち、反撃の準備を始めた。
「そんなに羨ましいなら変わってやりたいよ」とリアムが挑発すると、ノクスは激昂し、強力な魔力を解き放った。
彼の魔力は圧倒的だったが、リアムは一瞬の隙を突いて逃げ出した。
都市全体が崩れ始め、リアムは必死で出口を探したが、幻影の都市には出口はなかった。
全てが崩れ去る直前、リアムは意識を失った。
目を覚ましたリアムは、荒野に横たわっていた。
彼は立ち上がり、近くの水たまりに映る自分の顔を見て愕然とした。
そこに映っていたのはノクスの顔だった。
リアムはため息を吐くと「あいつは自分の凄さに気づいていないのか?」と呟いた。
リアムはノクスにいつも助けられていた。
少なくともリアムは自分よりノクスの方が優れていると思っていた。
なのに、他人の事を羨んで自分の才能に無自覚なままのノクスに腹がたった。
リアムは一度は拳を握りしめるも「まあ、体が変わっても、人としての本質が変わらなければそんなに問題にはならないだろう」と一旦は問題を保留することにした。
そして、そういえばと苦笑いを浮かべながら呟いた。
「ノクスの奴、俺の探偵事務所は借金だらけで資金繰りが大変なこと知っているんだろうか?」
リアムはため息をつき、今頃資金繰りで苦労しているであろうノクスを助けるために、歩み始めた。
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