見出し画像

【ショートショート】午後3時17分の解放

注意!
この作品はフィクションです。
実際の団体や人物は関係ありません。
この作品には画像生成AIを使用して作成した画像を使用しています。
以上を踏まえた上でお読みください。

その日、街角の時計が止まった。

午後3時17分。

人々は忙しなく歩き続けるが、時計の針だけが静かに時を忘れていた。

主人公、ユウはその時計の下で立ち尽くしていた。

彼の心には、3年前の同じ時間、同じ場所で別れた恋人の記憶が鮮明に残っている。

彼女は海外へ行くと言って、二度と戻らなかった。

ユウは毎年、この日、この時刻になると、時計の下で彼女を待った。

しかし、今年は違った。

ユウはもう待たないと決めた。

彼女が戻ってこないことを受け入れ、新たな一歩を踏み出す決意を固めていた。

そんな彼の前に、予期せぬ人物が現れた。

なんと、彼女だった。

「なぜ、今?」

ユウの声には驚きも怒りも混じっていた。

彼女は少し微笑みながら答えた。

「私もここであなたを待っていたの。あなたが前に進むためには、私からの言葉が必要だと思って」

彼女は海外での生活が自分には合わないこと、そして、ユウへの思いが消えることはなかったことを話した。

だが、彼女はユウとの関係を再開することを求めていない。

彼女はただ、ユウに過去を振り切り、新しい未来を歩んでほしいと願っていた。

ユウは深くため息をついた。

彼女の言葉には重みがあり、心のどこかで解放される感覚があった。

時計の針はまだ動いていないが、ユウの時間は再び動き始めた。

彼らはお互いに感謝の言葉を交わし、別れの挨拶をした。

ユウは新たな一歩を踏み出す勇気を得て、時計の下を離れた。

彼女の姿が見えなくなると同時に、不思議なことに街角の時計は動き出した。

午後3時18分。

ユウにとって新しい時間が始まった瞬間だった。

以上でこの物語は終幕となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。


よろしければサポートお願いします!いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!