![マガジンのカバー画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/98037233/7ddf74adee28d095877a82ed0c86920e.png?width=800)
- 運営しているクリエイター
#物語
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#26
第二章 靴を落とした少女
23:整本師と物語そして、その本をしっかりと握りしめ、荷物置き場になっていた書斎から、そっと立ち去った。
私は冷めやらぬ興奮を、隠すように小声で
「ねぇ、ねぇ、エル。見つけた!見つけたよ!」
「んー、なによ。」
エルは少し、鬱陶しそうにベットに張り付いていた体をゆっくりと起こした。
「見つけたんだよ!」
「だから、何をよ。」
「この本を!この童話集の本だよ!」
「で
【小説】おとぎ話の中で君ともう一度#24
第二幕 靴を落とした少女21:西の塔
「夕焼け空」
と唱えた。
瞬間、先ほどと同じような光が地面から放たれた。
気が付くとやはり先ほどと同じように塔の中にいた。でも、目の前に広がっている景色が違う。
さっきは、黄金の台だったのに対して、銀の台。
それに、台の目の前に広がっている景色は、先ほどの森ではなく、静かな夜にひときわ輝いている王宮が見える。
私は、少しずつ窓に近づき迷うことなく扉を開けた
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#21
第二幕 靴を落とした少女17:探索
そうして、今日も1日が始まる。
その日の深夜0時、エラが寝静まってエルに変わってもエルは布団に潜ったままだった。
さて、今日はこの家の外を探索しようかな。
「エル。私、探索に行ってくるね。」
「ん。」
エルは、きっとこれまで、いっぱい抱えこんでたんだろうな。
それが、爆発したんだと思う。
エルの姿が、現実の自分の姿と重なって少し苦しくなったような気が
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#20
第二幕 靴を落とした少女16:エラとの交渉
エルが元の調子に戻るまでは、そっとしておこう。
その分、エルと会話していた時間を、今日みたいに探検に使う時間にしようと、そんなことを考えながら目を閉じた。
チュンチュン。
「ん。んーー。」
「おはよう。エラ。」
「おはよう。りう。」
そのとき、エラがはっとしたように慌てだした。
「あ、あ、あの、りう?!大丈夫だった?私が起きた時にはベットに
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#18
第二幕 靴を落とした少女14:暴走
*これはフィクションです。
登場人物とは一切関係ありません。
暴力的な描写がありますが、決して、それを推薦しているわけではありません。暴力的描写が苦手な方はおやめください。
「殺してやる!!」
そういってエラは、勢いよく私を押し倒し、私の上に馬乗りになった。
そして、首を絞めた。
私は今起きていることが何が何だか分からないかった。
突然、エラが豹変し、私