記憶の中の少年と、鬱々とした日々を送る女子大学生の物語。
キーとなるのが、一冊の本と、記憶の中の少年からもらったボタン。
ある日、ひょんなことから物語の中に入ってしまった主人公。…
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【小説】おとぎ話世界で君ともう一度#2
第一幕 開かれた扉2:憂鬱
私は篠宮(しのみや)璃羽(りう)。
都内の大学に進学している大学生だ。
そう。私は何の変哲もない、ありきたりの平凡な大学生。
昔から言われている「大学生は、人生のバカンス」という言葉は、私にとって、まるでユートピアか何かと勘違いをしている大人のたわごとでしかないと思っている。そして、今の私は、色鮮やかなバカンスには程遠い。大学に行って、家に帰っての繰り返し。大学がない
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#1
第一幕 開かれた扉1:かすかな記憶
??:ね。璃羽。ちょっと手出して。
ガサゴソ。
??:はい………。これ、あげる。
璃羽:???。これ?なあに?
??:これは、第二ボタンって言うんだ。
そしてこれはね、僕のここ(心)にある大切な気持ち。
璃羽:???大切な…気持ち?
私は、その意味がなんだか分からなかったけれど、とても心がくすぐったくなって、嬉しくなったような気がする。
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