鉄を生み出す苔を訪ねてみた
コケ好きな人が増えているとの噂を耳にすることがあります。コケテラリウムが人気なんでしょうか。ちなみに自分は作ったことがあります笑。
日本の"美"って感じがして癒やされるのが良いです。長野の『苔の森』にはいつか行きたい・・・。
さて、今回は最も過酷な環境で生きる苔を撮影してきました。場所は群馬県の『チャツボミゴケ公園』です。あまり有名にならないで欲しい苔の聖地です。
チャツボミゴケ公園
受付で入園料(600円也)を払ったら1kmほど離れたチャツボミゴケ群生地へ向かいます。登山道を歩いていくこともできるし無料のシャトルバスに乗っていくこともできます。
バス降車場から歩いてすぐ、赤い土が見えてきます。かつては塗料として京の都へ運ばれていたようです。
そこから緩やかな上り道を進んでいくと鮮やかなチャツボミゴケの姿が見えてきます。
滝のように落ちるのが湧き水(鉱泉)なのか?と思いつつ歩みを進めていきます。初夏にはツツジが見事に咲くようです(このnoteが投稿される頃が見頃か・・・?)。
滝を脇に見ながらさらに進むと、いよいよ群生地が見えてきます。
『穴地獄』と呼ばれる群生地は不気味さと美しさが同居する異様さ。水が湧いているところがあったので。コケの間を流れるのが鉱泉なのは間違いなさそうです。
鉱泉は強酸性で通常のコケはとても育たない過酷な環境。チャツボミゴケは世界で最も耐酸性の強いコケとして知られています。
そして鉄鉱石を生成します。嘘のような本当の話。
かつてここは『群馬鉄山』と呼ばれていた鉱山なのでした。掘り出された鉄鉱石は約8キロ離れたところにある『太子駅』へと運ばれたようです。
旧太子駅
廃駅となった『太子駅』改め『旧太子駅』にも立ち寄って見ることにしました。
今は使われていない線路の上に、かつて鉄鉱石を運んだであろう車両が止まって(展示されて)います。
路線は最大で3本使われていたようです。思い付く四字熟語は"栄枯盛衰"。哀愁漂う場所です。
途切れた線路沿いでタンポポの花が春を謳っていました。
『チャツボミゴケ公園』いかがでしたでしょうか?厳しい環境でたくましく育つ。自分もかくありたいとは常々・・・(?)。
人の営みも感じられて、小さいけれど魅力溢れる場所だと思います。ご興味持たれましたら訪ねてみてください。その際は冬季閉鎖がありますのでご注意を。
それではまた次のnoteで👍
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