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背中を預けるということ

ラッパー、シンガーのLUCKDAR(ラクダ)と申します。
YouTubeやApple Music、Spotifyをはじめとしたサブスクにて、音源やMusic Videoを配信しております。 

前回までの記事にて、3つの視点から自己紹介をさせていただきました。
初めての方は、それらの記事も併せて読んでいただけますと、より理解が深まるかと思います。

さて今回ですが、前回の記事において予告しておりました通り、相棒のSASONLY(サソリ)について、お話をさせていただきたいと思います。

彼との出会いは、小学生の頃。
共通の話題からよく遊ぶようになり、ユーモアに富んだ彼と打ち解けるのに、さほど時間は掛からず、中学を卒業するまで"つるんで"いました。
高校に進学すると、お互い別々の学校に通うようになり、次第に関わりが薄くなっていきました。
そこから約10年間、音信不通になってしまい、それぞれの道を進んでいた私たちは、偶然バッタリと再会し、止まっていた時計の針が再び進み始めたのでした。
ヒップホップに傾倒していた彼から、「ラップをやってみないか」と勧められた私は、当初その誘いに対し及び腰でした。
当時私は映像制作の仕事に興味があり、ゆくゆくはフリーランスとして働けるよう、クリエイターの道へと進もうと模索していた時期でした。
しかし、新型コロナウイルスの流行により、思うような活動が出来ず、ヤキモキしていたところに彼からの打診。
どうせ足踏みをしているのならばと、挑戦してみることにしました。
結果としてこの決断は功を奏した訳です。
飽き性の私が、今日までアーティストでいられたことが、何よりの証明だと自負しております。
そんな彼との音楽活動ですが、当初より決めていたことがあります。
それは、「傷の舐め合い、馴れ合いはしない」ということです。
私たちは共に活動を続けておりますが、チームではあっても、コンビやユニットではないのです。
少なくとも現時点では。
なので私は彼のことを"相棒"と呼びますが、決して"相方"ではないのです。
微妙なニュアンスの違いですが、私にとっては大きな違いです。
共に目指す目標があり、互いの道が交差する度に協力する。
そういう関係でありたいのです。
友であり、ライバルでもある。
そして共通の夢の為に高め合う。
背中を預ける為には必要なことが3つあると、私は考えています。
「信頼」、「安心」、「尊敬」。
そのどれか一つが欠けても、成り立たないと思うのです。
逆風にさらされることの多い日々の中で、私たちが活動を続けることが出来たのは、互いに背中を預け、そして「自分にしか出来ないこと」を各々がやってきたからだと思っています。
私はかねてから独学で培ってきた映像制作のノウハウを活かし、Music Videoの撮影、編集に力を注いできました。
また彼はアングラな世界でステージ経験を積み、イベントを主催する上でのオーガナイズや、ラップバトルシーンへの参入と、それに伴う人脈拡大に大きく貢献してくれました。
各々が各々にしか出来ないことを、精一杯やってきたからこそ、雑多な世界で緻密なパズルを組み上げるが如く、2人だけの軍隊で戦い続けることが出来ているのだと思います。
ありがたいことに昨年から、東京のイベントに呼んでいただくことが増えました。
その際に「2人がいると盛り上がる」と、喜んでいただき、とても嬉しかったことを覚えています。
先程も述べましたが、我々はコンビでもユニットでもないのです。
それぞれがそれぞれの志を持った"個"が、大きなムーブメントを起こしているのです。
当初は頼りなかった互いの背中の広さに感心する日々ですが、"日暮れて道遠し"と、寒さ堪える砂漠の夜道を、今日も共にひた走るのでした。


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