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人生は楽しい

この言葉は、92歳の男性が言っていた言葉だ。

わたしは、畑に興味があり、家の近所の畑作業をしている方何人かに話しかけていた。
そこで、92歳の男性の畑作業を手伝わせていただくことになった。

92歳なのに、桑で土を耕したり、マルチを張る作業のお手本を見せてくれたり。なんて元気なんだ。
足腰が痛いとは言いながらも、あまりの元気さにびっくりしたし、とてもとても90代には見えなかった。

休憩中にいろいろとお話してくださった。
わたしが畑作業がとても楽しかったと伝えたら、
「おもしろいよー」と、やればやるほど面白さが出てくることを教えてくれた。

お爺さんは、今までも、農作業を人に教えに行ったり、ボランティアに行ったり、いろんなことをしたんだそう。

「いろんなことをすれば良い」
「100歳まで生きたい」
「人生は楽しい」
わたしに、そう言ってくれた。

92歳の方からの「人生は楽しい」という言葉は、とても深い言葉に感じた。
きっと、人生の中で乗り越えなければいけない壁や試練もなかったわけじゃないと思う。それでも楽しい記憶の方が多く、何よりも今とても楽しんでいて幸せだということだけは絶対的な真実だと感じた。
若者の「人生サイコー!楽しい!幸せー!」という言葉とは全く異なる言葉の重みと信憑性を感じた。

わたしには、アラサーのわたしの同世代のお友達たちよりも、92歳のお爺さんの方が格段に幸せそうに見えたのだ。

お爺さんが話してくれた言葉を思い出すと、胸がじんわりして、涙が出そうな気持ちになる。

農作業中、そのお爺さんはご近所さんからもとてもサポートされていることを感じた。
作業道具が壊れたら電話一本で駆けつけてくれて、(もちろん無料で)道具の修理をしてくれる知り合いの方もいた。

お爺さんの娘さんによると、真夏でも1日中畑にいるお爺さんを、ご近所の方は心配して畑にお爺さんを見に来てくれたり、飲み物を渡してくれたりするのだそう。

このお話を聞いて、
「わかるなぁ」
と思った。

何がわかるのかというと、
このお爺さんがすごく人からサポートされることが分かると思ったのだ。
だってわたしも思ったのだから。
どうか、このお爺さんがずっとずっと100歳過ぎるまで大好きな畑作業を元気にできますように。そのために必要なことがあれば私にサポートさせてください。
って。

わたしは、
お爺さんのピュアさに惹かれているんだと思う。

販売用ではなく趣味で農作業をしているお爺さんは、
本当に純粋にただ畑仕事が好きだからやっている。
足腰が痛かったら素直に人に頼り、畑に興味があるというわたしに対して、純粋に喜んで見返りも求めず農作業のやり方を教えてくれている。
誰に認められるわけでもなく、評価を求めるわけでもなく、ただただ純粋に目の前のやりたいことを楽しんでやっている。

お爺さんの周りには愛が溢れている。
わたしはそう感じた。

そして、お爺さんから「本当の幸せとは?」
を教えてもらったような気がした

当たり前なことだけど、
ありきたりな答えだけど、
シンプルに、
「周りが自分をどう思うかではなく、
自分が本当に喜ぶ好きなことをして生きなさい。
そうすれば、人生は楽しくて幸せなのだよ。」
そんなメッセージをその姿から見せてもらった気がした。

その姿を見せてくれてありがとうありがとうありがとう。
お爺さんに出会えたことに、お爺さんの存在に、とてもとても感謝した。
お爺さんへ敬意を込めて。


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