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ありのままを生きること〜ルチアのラスール物語〜

第12話 立ちはだかる現実

ようやく、ラスール認定コースのエントリーの手続きを済ませて、さあこれから!という時のこと・・・

父から電話がなった。

混乱している父。どうやら、母が転んで立ち上がれないとのこと。

少し前にも似た様なことがあって救急車で運ばれたばかりだった。

なんとか、自宅まで辿り着いて今は落ち着いているとのことだった。

またか・・・ 嫌な予感を感じながら少しイライラしながら電話を切った。

翌朝、父からの電話
「お母さん、もうだめだ。お兄ちゃんと病院へ連れて行く」

麻痺が出て食事が取れなくなっていた。

検査などで時間がかかりるから仕事が終わってから病院へ来るようにと言われて仕事場から駆けつけた。

脳梗塞だった・・・

5〜6年前に父が脳梗塞で倒れた。その時は幸い、麻痺も残らず今も日常生活は自分でなんでもできる。

でも、今回は違った。場所が悪かった。
医師からの話では、左半身の麻痺、寝たきりの生活になることがわかった。

自分と同じように元通り元気になると信じて譲らない父。
厳しい現実から目を背けるわけにはいかない私たち兄弟がいた。

3月下旬、職場の周りではチューリップの花が咲き誇っていた。


程なくして、コロナ禍で初のロックダウンになった。

病院の面会も制限されて、家族でも代表1人が着替えや用事をしに行くことになった。日中、比較的動ける私が担当することになった。
最初のうちは、面会もできたが、そのうち病院へ行っても着替えを渡すだけになっていった。

母の様子がわからない・・・
少しは、落ち着いてきたのだろうか?

せん妄状態から脱したのだろうか?

状況がわからないもどかしさとロックダウンで周りの環境が一変、仕事も休業となっていた。

ラスール認定コースにエントリーした矢先の出来事に混乱と疲弊、そんな中でも、「私がしっかりしないと」と気持ちを奮い立たせていた。

元々、高血圧や様々な生活習慣病がある母なので、いつかは、こうなることは薄々覚悟はできていた。
その為にお年寄りのお手伝いの仕事やボランティアなどをすることで心の準備をしてきた。

だけど・・・

この1年だけは、待って欲しかった。

「なんで、大事な時に限って私の邪魔ばかりするの」

正直な気持ちだった。

なんて親不孝なんだろう・・・

そう思いながらも怒りばかりが湧いてくる。

家族に翻弄されてきた。という私の中での悲しみと怒りが爆発していた。

と同時に赤ちゃんの様になってしまった母をどこか愛おしくも思うのだった。

そんな嘆きを沢山いる共感パートナーに聞いてもらうことで気持ちをお膣かけてもらった。

この時、どれほど聞いてもらうことで救われただろう・・・

私の嘆きを共感的に聞いってくれる仲間が何人もいてくれたことで、私は壊れずに済んだのだろう。

                         次回へ続く



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