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韓国でも使われる「中二病」~結局のところ X JAPAN はすごいっていう話~

 そういえば、韓国でもこの言葉を使うんだなあと思うことがあります。「中二病」もそのひとつです。

 以前から韓国でも使うということは知っていましたが、特に意識したことはありませんでした。それが昨日とあるYouTubeの動画で「中二病」と言っているの観て、日本で生まれたこの言葉が当たり前のように使われているなんてなんだか不思議でおもしろいなと思いました。

 今日はそんなことを綴りたいと思います。


놀라운 토요일(Amazing Saturday)EP.175

 昨晩視聴した動画がこちらです。
 私が定期的に見る数少ない TV 番組の YouTube チャンネルです。

 놀라운 토요일(Amazing Saturday)は歌の一部分を聞いてその歌詞を当てるという至ってシンプルな番組です。今回のお題は90年代に活躍したロックバンドの 네미시스(Nemesisのデビューアルバムタイトル曲『베르사이유의 장미(La Rose De Versailles)』でした。

 この番組の会話で「中二病(중2병)」という言葉が出てきました。

 そう、サムネイルにもある炎を背負った 중2병 が中二病という意味です。

중(チュン):中(漢字で書くと同じく「中」です)
병(ビョン):病(漢字で書くと同じく「病」です)
※つまり、中二病をそのまま韓国語読みしたのが 중2병 です。


中二病(중2병)

 レギュラー出演者である SHINee の Key が Nemesis(ネメシス)が大好きで、2005年当時よく聴いていたそうです。

 ちょっと会話を聞いてみましょう(下の動画は Key の中二病の会話から始まります)。

(키) 이때 제가 네미시스를 아주 좋아 했던 이유는 제가 2005년 당시에 정확히 중학교 2학년이었는데 아주 심각한 중2병에 빠졌어요.
(Key)このときにネメシスが大好きだった理由は、2005年当時、僕はちょうど中学校2年生だったんですけど、深刻な中二病に掛かっていたんです。
(MC)어느정도였어요?
(MC)どのくらい深刻だったんですか?
(키) 머리 길러서 막 네미시스, 엑스재팬, 더트랙스 노래 듣고. 심각하게 그 병에 걸렸었어.
(Key)髪を長くして、Nemesis、X JAPAN、The TRAX の歌を聴いてーー。深刻な病気に掛かってましたね。

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 ここで名前が挙がったグループはすべてロックバンドで、The TRAX に関しては、 X JAPAN の Yoshiki がプロデュースして日本デビューしたそうです(Wikipedia)。どのようなグループだったのか、何となく想像できる気がしますよね。


X JAPAN のすごさは政治や国境を軽く超える

 今までは韓国で中二病の話を聞いても全く引っ掛からなかったのですが、ここで X JAPAN の名前が出てきたことで一気に興味を引かれました。

 どれだけ中二病に掛かっていたのかを説明するところで X JAPAN の名前が出てくるなんて秀逸ですね。「Key、あなたは確かに中二病に掛かってたんだね」と言いたくなる。

 実は X JAPAN は韓国ではかなり有名です。

 1998年の文化開放以前、韓国では日本の大衆文化に規制が掛かっていました。そのため、一応、日本の音楽は聴けないということになっていたのですが、その中で絶大なる人気を誇っていたのが X JAPAN です。特に30代~40代の韓国人で X JAPAN を知らない人はいないのではないかなと思ってしまうほど、広く知れ渡っています。

 もう15年以上も前の話になりますが、イギリスに留学していたときに仲良くなった韓国人の一人も X JAPAN のことが好きでした。しかも、ただ好きというレベルではなく、かなりのファンでした。それを見て、X JAPAN の魂のこもった曲は国境、文化、政治すらも簡単に超えていくんだなと感じたことを覚えています。当時はまだ『冬のソナタ』がようやく流行り出すくらいの頃で、私自身、韓国のことなんてほとんど知らないような時期でした。


네미시스(Nemesis): 베르사이유의 장미(La Rose De Versailles)

 最後に、Key が大好きだったという Nemesis の La Rose De Versailles の MV を載せておきます。

 メロディや歌詞がどうこうというよりは、初めて聴く曲なのに、日本の90年代バンドブームを彷彿とさせる感じがとてもおもしろいです。

 政治的には分厚く強固な壁が存在していたあの頃、文化的な交流はすでに目に見えない形で始まっていたのかもしれませんーー。


 ではでは😊

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