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韓国料理13.ジョンソンタン~キムチが入っていないクリーミーなプデチゲ~

 プデチゲ(부대찌개)は、ハム、ソーセージ、スパム、キムチ、ベイクドビーンズ、豆腐、ラーメンなどを入れて作った韓国の鍋料理です。

 プデは漢字で「部隊」と書きます。食べることにも苦労していた朝鮮戦争時代に、駐屯していた米軍部隊が食べ残したり、捨てたりしたソーセージやハムを使って作ったのが始まりだとされています。

 貧しかった頃の記憶が残る料理ですが、今では小さな子どもからお年寄りまでみんなに愛される大衆の味です。


ジョンソンタン(존슨탕)とは


 そんなプデチゲと似た料理に、ジョンソンタン(존슨탕)というのがあります。タン(탕・湯)は鍋という意味で、チゲよりも水分量が多い料理に対して使います。

 ジョンソンタンにはプデチゲに欠かせない食材のキムチが入っておらず、牛骨で取った出汁をスープを使うのが特徴です。

 ジョンソンという名前は、アメリカのリンドン・B・ジョンソン元大統領が1966年に訪韓した際に食したことから付けられたという話があります。

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 韓国では嫌いだと言う人には出会ったことがない、プデチゲ。しかし個人的には、あまりおいしいとは思わない、よって特段食べなくてもいいと思う韓国料理の1つでした。

 それが突然、数日前に何の前触れもなく「プデチゲが食べたい!」と思い立ち、近所にあるお店に食べに行くことにしました。

 そのお店のメニューに書かれていたのが、ジョンソンタンです。

 プデチゲもほとんど食べない私は、ジョンソンタンがプデチゲの種類なのだろうとは思っても、どんな料理かは全く知りませんでした。それでも注文した唯一の理由は、料理名の横にあった写真が美味しそうだったからです。


付け合わせと魚のフライ

カクテキ、練り天のピリ辛炒め、沢庵の和え物

 注文してすぐ、付け合わせ3種がテーブルに並びました。

 カクテキ(깍두기)、練り天のピリ辛炒め(어묵볶음)、沢庵の和え物(단무지무침)です。どれもこれもご飯とソジュに合う料理です。


目玉焼き

 少しすると、目玉焼き(계란 프라이)がやってきました。

 私はこの両面焼きの目玉焼きが大好きで、お店に対する印象が一気に上がりました。かなりの高ポイントです。これだけでまた来ようという気にさせる目玉焼きは、油断なりません。


魚のフライ

 別途、魚のフライも注文しました。

 実はネットでお店を検索した時から狙っていました。絶対に美味しくないわけがないと強く思ったこのビジュアル。

 サクサクでジューシーな上に、タルタルソールが美味しかったです。

 好みに合うタルタルソースと出逢うのは意外にも難しい・・・というのが、今までの経験から得た教訓です。多くの場合、酸っぱすぎたり、細かく刻んだ具の食感がいまいちだったり・・・。

 でも、このお店のタルタルソースは合格!
 ナイスなお味でした。


ジョンソンタンの登場

ジョンソンタン

 さてさて、本題のジョンソンタンの登場です。

 蓋を開けたて中身を見たいのはや山々ですが、我慢です。少なくともぐつぐつと沸騰するまでは待ちましょう。


乾麺

 鍋と一緒に乾麺もやってきました。

 プデチゲ然り、ジョンソンタンにもラーメンは欠かせません。ちなみに麺類はラーメン意外にも、唐麺タンメン(당면)という太い春雨が入っています。


黄色いのは、溶けたスライスチーズゥ~

 沸騰したので、ここで鍋をオープン!

 早速スープを味見しましたが、牛骨だしなだけあってとても深い味わいのスープでした。特にスライスチーズが程よいこってり感をうまい具合に演出しています。

 具にはハム、ソーセージ、スパムを始め、ネギや玉ねぎなどの野菜、豆腐や餅、春雨が入っています。これを基本として、餃子などの追加トッピングも可能です。


ラーメン投入

 ここにラーメンを入れ、さらにひと煮立ちさせたらーー


それではいただきます。

 出来上がりです。

 初めてのジョンソンタンは、クリーミーで優しい、深い味わいのプデチゲでした。ハムやソーセージがそれぞれいい役割を果たしていますし、乾麺と春雨のダブル麺が楽しい食感とのど越しを生んでいました。

◆◆◆


 様々な食材が混ぜ合わさってカオスな気もするけれど、きちんと一つにまとまっているジョンソンタン。

 一般的なプデチゲとは異なり辛くないので、辛いのが苦手な方にはおすすめの韓国料理です。 

 ではでは。

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