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門巡り#01.弘智門〜朝鮮王朝後期に建立されたソウル漢陽都城の門〜

 以前ソウル特別市鐘路区(종로구)にある少林寺(소림사)という寺院をご紹介しましたが、同じ日に近くにある弘智門(홍지문)にも行って来ました。

 今回はその弘智門についてご紹介したいと思います。


弘智門(홍지문)

 弘智門はソウル特別市鐘路区(종로구)弘智洞(홍지동)に位置します。この地域は地下鉄が通っていないため、アクセス方法は市内バスになります。最寄りの停留所は「弘智門(홍지문)・玉泉唵(옥천암)」で、バス停からは歩いて5分ほど掛かります。


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 弘智門は朝鮮王朝粛宗41年(1715年)(※1)にソウル漢陽都城(※2)と北漢山城の防御施設を補うために五間水門(5つのアーチを設けた水口)といわれる水門及び西城と一緒に健立されました。

 漢城の北部にあるため「漢北門」とも呼ばれています。

 もともとあった門楼は1921年に崩れ落ち、五間水門も同年に降った長雨により流されたことで約60年間廃墟状態にありました。その後、1977年に復刻されています(Wikipedia)。

 弘智門は1976年にソウル特別市有形文化財第33号に登録されました。

韓国民族文化大百科事典『弘智門─蕩春臺城』より抜粋・翻訳)

※1)現地にある案内板には「粛宗45年(1719年)」と記載されています。
※2)ソウル漢陽都城は朝鮮時代の首都・漢陽(한양)を囲む都城で、朝鮮時代には略して漢城(한성)と呼ばれました。漢陽都城は1396年に朝鮮王朝の太祖により築造され、世宗と粛宗の時代に補修工事が行われました(ソウルロより)。

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◆昔の姿

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韓国民族文化大百科事典『弘智門─蕩春臺城』より)

 朝鮮時代の首都である漢城(한성)はこのように城廓に囲まれていました。つまり、この門の先に当時の都があったわけです。

 簡単に位置関係を説明すると、写真の奥に見えるのが北岳山(북악산)と呼ばれる山で、この北岳山を越えたところに景福宮や昌徳宮などの王宮があります。

 李氏朝鮮の粛宗時代に建てられたということは、宮中ドラマの『トンイ』の時代ということになります。ドラマや映画はあまり見ない私でも観たことがある貴重なドラマです。面白かったので、まだ見たことのない方はおススメです。

 このようにドラマと関連する場所に来ると、なんだか嬉しくなりますね。ドラマのロケ地巡りをする人の気持ちが分かる気がしました。


◆内側から見た門

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 門を潜って内側から見た光景です。こちらからだと「弘智門」という看板がないようですね。


◆門の天井

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 門の天井には絵が描かれています。この色彩に韓国らしさを感じます。

 なんだか孫悟空の筋斗雲みたい☁️


◆◆◆


 この弘智門のある地域はとても静かです。

 寺院あり、門あり、さらには、川、カフェ、ギャラリーもあり、個人的にはおすすめしたい場所です。そうそう、以前ご紹介したセゴ寺もこの近くにあります。

 地下鉄がないのでアクセスしにくいですが、だからこそ、街の穏やかさを維持できているのでしょうね。

  ではでは😊



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