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#4 ボランティアビザ取得奮闘記〜2度の失敗、3度のラオス〜

 မင်္ဂလာပါ။(ミンガラーバー)カウンゾーです。明けましておめでとうございます!新年の実感よりもすでにメーソートに来てから2ヶ月が経過してしまったことへの驚きの方が強い私ですが、年末年始バタバタしていてしばらくブログを書けませんでした。。。
 なぜバタバタしていたのか、何をやらかしたのか。全てこの記事に書かれています。タイで長期ボランティアを考えている方、少しでも興味がある方には特に読んでいただきたいです!!
 今回は長いので、目次を作ってみました。注意事項と必要書類だけ確認したい場合は【まとめ】をご覧ください!

※この記事に記載している交通費やバスの時間などは2023年12月、及び2024年1月時点でのものとなっておりますので、ご注意ください。また、ビザ申請に必要な書類なども参考として紹介していますが、申請の際はここに記載している情報をそのまま引用せず、ご自身のボランティア先の団体と相談し、対応するようにお願いします。


2度の失敗によりタイーラオスを3往復

タイでの滞在スタートからの経緯

 11月の1日にタイ・メーソートにやってきた私ですが、いきなりボランティアビザを取得したわけではなく、最初はツーリストビザでした。11月末に一度ターク県のImmigration Officeで延長手続きを行ったのですが、12月中にタイを出国してタイ大使館でボランティアビザ(ノンイミグラントOビザ)を取得しなければなりませんでした。
 日本のタイ大使館でボランティアビザを取得することも、もちろん可能ではあります。ただ、その場合ボランティア先の団体からもビザ申請のために書類を準備する必要があり、ボランティアを呼ぶ前に受け入れを確定しなければなりません。
 団体側としてもどんな人間が来るのか実際に会って知る前に承認を出すのは難しいですし、私としてもまず会って挨拶をしてボランティア先に受け入れてもらう必要がありました。11月と12月は私を受け入れてもらうための期間であり、団体側にビザの準備をしていただく期間だったということです。
 しかし、1回目でビザ申請ができず、2回目でもできず、3回目でようやく申請が通り、、、合計3回もラオスに行かなければならなくなったのです。未来のボランティアが私のような過ちを犯さぬように、大使館への行き方や申請が降りなかった原因などを詳しく書きたいと思います!

ボランティアビザ(ノンイミグラントOビザ)について

 タイのビザには、Diplomatic、Official、Courtesy、Tourist、Transit、Non-Immigrant、というカテゴリーがありますが、ボランティアのためのビザはNon-ImmigrantのOタイプ(他にもF、B、IB、ED…などたくさんあります)になります。こちらを取得すると、タイでの90日間以内の滞在が認められ、延長手続きはタイ国外に出なくても国内で申請が可能です。

大使館までの道のり

夜行バスでメーソートからノンカーイ

 メーソート発の夜行バスでラオス・ヴィエンチャンのタイ大使館へ。バスで行く場合は夜発のバスのみです。メーソートからムクダハーン行きのバス(タイをミャンマー国境からラオス国境へ真横に横断するバス)に乗るのですが、ヴィエンチャンに行く際は途中のコンケーンで降ります。チケットはメーソートからコンケーンまで600バーツほどで、メーソートのバスターミナルにあるチケットカウンターで購入します。
 コンケーンのターミナルに着くのは朝4:00ごろ。降りたらすぐにノンカーイ行きのチケットを購入します(ターミナルは広いですが、ノンカーイ行きのバス乗り場は降りてすぐ近くにあります。乗り場のすぐそばにおじさんが座っていて、そこでチケットを購入できます)。1回目の時は150バーツでしたが、3回目にラオスに行った時は350バーツでした、、、
 ちなみに、コンケーンに着いた時点でノンカーイ行きのバスがすでに到着していた場合はチケットを買わずすぐバスに乗り込み、車内でお金を払います。座席の指定とかは無く、適当に空いている席に座ります。メーソートからコンケーンまでのバスと異なり、かなり適当なので戸惑います、、、他の乗客はブランケットを羽織っているけど、途中から乗車するとブランケットをくれない場合もあるので、冷房の猛攻に耐えるために防寒対策が必要です。

国際バスでノンカーイからヴィエンチャンへ

 コンケーンから真北に進むこと約4時間、ようやくラオス国境の街ノンカーイに到着です。一回目の時は、バスが9時前に到着したので、10時発のヴィエンチャン行き国際バスをそのままターミナルで待つことにしました。

国際バスのチケットカウンター。便は7:30発、10:00発、15:30発、18:00発の4つ。
この時間は長年変更無く運行しているようだ。チケットカウンターは発車時刻の1時間前〜40分前くらいに開く。
ノンカーイバスターミナル。柱に乗り場の番号が書いてあり、それぞれ行き先が異なります。国際バスは1番乗り場。

 バスに乗ると、乗務員がArrival sheet (正式名称はわかりません)をくれるので、あらかじめボールペンを用意しておき車内で記入します。この紙は入国審査で必要です。真ん中で切り離せるようになっていて、左側の入国用の方を提出、右側は出国用なのでタイに戻る時まで保管しておきます。
 バスは、ノンカーイバスターミナル→ノンカーイ検問所(タイ)→ターナレーン検問所(ラオス)→ヴィエンチャンというルートで国境を越えます。
 ノンカーイ検問所でバスを降り、出国審査(パスポートにスタンプを押してもらい、指紋をチェックするだけ)をして再び乗車。メコン川を渡り国境を越えます。余談ですが、橋を渡りきるまで車道は左車線、ラオスに入ると右車線になります。初めての時は、気づいたら車線が変わっていてマジックを見せられたような感覚でした(笑)
 バスはターナレーン検問所で再び停車。車内で記入したArrival sheetパスポート手数料の20バーツを準備していざ入国審査。職員によって緩さに差はありますが、スムーズに審査を終えるためには予めラオスでの宿泊先を予約しておき、予約完了のスマホ画面を準備しておくのが無難です。
 初めての時はホテルを予約していなかったのでどこに泊まるんだ、と聞かれて少し時間がかかりました。ただ、それで入国できないということはありません。ビザ申請日の前日にラオスに入る場合は、ホテルを予約せずに入国し、実際に現地で部屋を見たり値段を比較して決めるのも良いと思います。

バス内で記入するシート。入国時に左側(ARRIVAL)が切り離され、右側(DEPARTURE)は返却されるのでタイに帰る時まで保管しておく
ビザナンバーの欄はビザ無しで滞在の場合記入する必要は無いが、その他の欄はしっかり埋める。ラオスでの滞在先(ホテルなど)の住所の記入も忘れずに。

一度目の失敗

大使館にすら入れず…

 国際バスはタラートサオというショッピングモールの裏のCentral Bus Stationに到着します。この時、すでに時刻は11:30前。大使館のビザ申請エントリーは12:00までなので、高額とは知りつつもターミナルに待ち構えていたトゥクトゥクで大使館へ。
 タイ大使館は2つあり、ビザ申請の場合はパトゥーサイという凱旋門付近にある大使館ではない方の大使館に行く必要があります。(詳しくはこちら https://thaivisavientiane.com)トゥクトゥクのおじさんはそれを分かっているのか心配でしたが、ちゃんと正しい方に連れて行ってくれました。 
 大使館前にいたおじさんがvisa申請か?と声をかけてくれて、application Formの用紙をくれて、パスポートのコピーもしてくれました(100バーツかかりました)。かなり時間がかかりましたが、なんとか書類を埋めて顔写真を2枚貼り、大使館へ。そしてありえない究極のやらかしに気づきました。

 大使館のホームページで申請の予約をしていなかったのです。

 これが一度目の失敗です。予約がないのでもちろん受け付けられないと言われ、大使館にすら入れず文字通りの門前払い。そりゃあそうです。じゃあ明日か明後日に、と思いその場で予約を試みましたが、すでに埋まっていて最短で次の予約は12月28日。。。
 本来、予約は遅くとも希望日の1週間ほど前には済ませる必要があったのです。更に後から知ったのですが、この時点ですでに書類に不備があり、仮に予約していても申請はできていませんでした。

【まとめ①】一回目のラオスで学んだこと

 今回のやらかしで学んだことを箇条書きにしておきます。ボランティアビザの取得を考えている方、ぜひ参考にしてください。

  • 大使館の予約は遅くても1週間前にすべし

  • 10:00発の国際バスでは時間ギリギリ。申請日の前日にノンカーイに着いて一泊し7:30発の便に乗るか、前日にラオス入りするべし

  • Application Formの記入は時間がかかる。予めパスポートの番号や期限などの情報日本の住所タイの住所ラオスでの滞在先住所、タイでの保証人(面倒をみてくれる人)の電話番号や住所をまとめておくべし(大使館前はなぜか電波が悪く、その場でスマホで調べるのは大変)

二度目の失敗

2日前にノンカーイへ到着

 前回の教訓を生かし、予約日の28日の2日前にノンカーイに到着。なんと26日の夜に体調を崩すというアクシデントがあり、2日前にきたことが功を奏しました。夜中に嘔吐と発熱の症状があり、27日の朝、タイ語で症状を伝えるためにGoogleで調べてメモに書いて滞在先のスタッフに見せ病院へ。
 27日にラオス入り予定でしたが、とても動ける状況ではなくノンカーイで一日中寝て回復を祈りました(万が一のために、病気の名前などをタイ語で書いてあるサイトを調べておいたりメモを作っておけばよかったです)。28日の朝に何とか熱は下がり、元気は無いもののラオスに行けるだけの力を取り戻しました。
 7:30のバスで2度目のヴィエンチャンへ。今回は余裕を持って大使館に行くことができました。トゥクトゥクを使わなくても、Central Bus Stationから大使館までは1.5km、全然歩ける距離です。

書類不備に泣いた二度目の挑戦

 そして、もうご存知の通り、またやらかすわけです。今度は「所属団体から大使館宛のInvitation Letterが無い」と言われました。2度目です。また失敗です。絶望です。(申請書類に付いては後の章でまとめています。)
 私のボランティア先の団体は決して前からある団体でもなければ大規模でもなく、外国人ボランティアの受け入れ経験もありません。自分でも動かなければいけなかったのに、私は団体や私のGuarantor(保証人)であるSweetさんという方に任せっきりにしていました。それでも団体やSweetさんはできる限りのことをしてくれて、本当に感謝しています。。。
 「人を頼る」ことと、「人任せ」は意味が違います。自分でも調べて、アクションを起こして、その上で知識のある周りの人に助けを求める、確認してもらう。これが当たり前であり、やらなければいけないことです。それを怠った私にとって今回の失敗は当然の報いです。
 年をまたいで、次は1月11日に再予約。三度目の挑戦に向けて、自分でももう一度ちゃんと情報を調べようと決意し、ラオスを後にしました。

三度目の挑戦

入念な確認

 1月9日、夜18:40。緊張しながら少し重たい気持ちを抱え、三度目の夜行バスに乗り込みました。Invitation Letterなど大使館への提出書類については、Sweetさんの友人の方(ノンカーイ在住)にも事前に確認していただきました。その友人の方はボランティア団体を持っていて、海外からのボランティアにビザの手続きのサポートなどを行っているためビザ申請に詳しく、細かい部分まで訂正していただき、全ての書類を揃えて出発の日を迎えました。
 ノンカーイに到着したのは10日の朝8:30ごろ。その後直接Sweetさんの友人の方にお会いして、彼に再度全ての書類を確認していただきました。そのままなんと彼の家に泊めていただき、翌朝もノンカーイのバスターミナルまで送っていただきました。。。本当に親切な方々に支えてもらい、自分が周りの人に恵まれていることを常々実感します。

三度目の正直

 11日、また7:30ノンカーイ発のバスでヴィエンチャンへ。タラートサオから大使館までの道のりももう覚えてしまうほどになり、大使館前でもApplication Formの記入も速やかに終え、大使館入り口でパスポートとForm予約完了画面を見せます。そして中に入りいざ書類の提出へ。
 緊張の瞬間でしたが、3度目にしてようやく全ての書類が不備無く受理されました。手数料の2000バーツを支払い、ビザ発行日が書かれた用紙を受け取って終了。11日・木曜日に申請したため、申請日を1日目として3営業日目の15日・月曜日が発行日となりました(土日は休みのためカウントされません)。

【まとめ②】ビザ申請に必要な書類

 結局ボランティアビザ(ノンイミグラントOビザ)の取得のためにどのような書類が必要だったのか、まとめておきたいと思います。

【必要書類】

  1. Invitation Letter

  2. ボランティア先の団体の規約

  3. ボランティア先の団体の代表者のIDカード

  4. ボランティア参加者の保証人(Guarantor)のハウスペーパー

  5. Application Form

  6. 証明写真

  7. ビザ申請者のパスポートコピー

  8. 手数料2000バーツ


  1. Invitation Letter
    ・ボランティア先の団体の代表責任者から大使館宛に出す手紙。
    ・写真のように上部にボランティア先の団体のレターヘッド代表者のサイン団体の印連絡先が必要。
    ・タイ語で申請がおりたが、一般的には英語。
    大使館側は特にテンプレートを用意していないので、ボランティア先の団体で用意する必要
    ・内容としては、
     ①ボランティア先の住所
     ②ボランティアの名前、国籍、パスポート番号
     ③ボランティアの活動内容
    が書かれている。団体がボランティア参加者の住居や食事をどのようにサポートしているかも書いておくとさらに良い。(Sweetさんの友人の方からの情報です)

2. ボランティア先の団体の規約
・ボランティア先の団体の規約について書いたもの。

3. ボランティア先の団体の代表者のIDカード
両面カラーで、はっきりクリアにコピーされていなければならない。
団体の印代表者のサインが必要

4. ボランティア参加者の保証人(Guarantor)のハウスペーパー
・タイでは居住者は必ずこの紙を持っていて、住所と居住者の名前、IDカード番号などが書かれている
カラーで鮮明なコピー保証人のサインが必要

5. Application Form
・大使館前で記入。おじさんが「ビザ申請か?」と聞いてくれるので、彼についていけば用紙をくれる。
事前にしっかりゲストハウスやホテルを決めておき、そこの住所を“Address in Lao PDR”の欄に記入すること。
・O non-Immigrant の種類はF,B,IB,ED…とたくさんあるが、もし種類を聞かれたら「O」

6. 証明写真
3.5cm✖︎4.5cmの写真。最低2枚だけど予備必須。大使館前でApplication Formを記入後、写真の欄に貼り付ける。

7. ビザ申請者のパスポートコピー
顔写真・パスポート番号が書かれたページと、査証のページをコピーして提出。

8. 2000バーツ
・発行日ではなく申請日に支払うので忘れずに。

※日本のタイ大使館(タイ王国大阪総領事館)のホームページには「経歴書や身元保証書が必要」と書いてありますが、ラオスのタイ大使館で申請する場合は不要でした。

【大使館の予約】
・ホームページでまずはアカウント作成(名前と電話番号、パスポート番号などを入力)
・その後ログインして予約。余裕を持って早めに!!
https://www.thaivisavientiane.com/ThaiConsular/ 
【手数料】
2000バーツ
【受付時間】
申請 9:00-12:00
発行 13:30-16:00

最後に

 予期せぬ3往復のラオス旅。失敗をして絶望を味わい、ヴィエンチャンは私にとって苦い思い出の街となってしまいました。しかし、そのおかげで学ぶことも多くあり、ラオスについての知識は少し増えたように感じます。このボランティアビザ取得の奮闘記は忘れられない貴重な経験となるでしょう。
 未来のボランティアの方々が、私を反面教師として無事にビザを取得できれば幸いです。それでは、次回のメーソート滞在日記もお楽しみに!

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このブログについて

 このブログは、任意団体Listening to Communities(LtoC)の紹介を通じて、現地ボランティアの機会を得た日本人の学生が書いています。LtoCは、タイ国境で暮らすミャンマーの土地を追われた人々や、弱い立場にある移民の人々を支援する団体です。日本の学生と現地をつなぐ教育・交流活動も行なっています。団体の詳細についてはこちらをご覧ください。

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