新卒で入社した会社の話13

送別会当日の朝、営業部のエリアからヒソヒソ声が聞こえる。

「今日の送別会間に合う?」
「間に合うわけがない」
課長も含めたメンバーが口々に言っているのが、聞こえてきた。

時間なんていくらでも変更できたのにどうして言ってくれないんだろう。

3週間前には君たちの元にメールがいってるはずだよ、どうしてその時にもう少し遅くできないか?て一言打診してくれないの。

それで当日ヒソヒソいうのは大人として、いや人間として狡過ぎやしない?


案の定、早めに現地についてみんなが来るのを待っていたが、予約時刻の19:00になってもメンバーは半分も揃っていなかった。

みんなが完全に揃ったのはおよそ30分後。

悪気もなく当たり前のように遅れてくる営業メンバー。

司会は葦名にしてもらうことになった。

しかし、きっと人生で司会とかしたことがないのだろう。あまりにもタジタジ。

「え、えーと時間になりましたので・・・」

言葉が出てこない。

「アッシー、ガンバ!!いけるで!」

営業メンバーたちが口々にハッパをかけてくる。

コネってええな。ポンコツでもなんでも許してもらえる。


2時間の時間はとても過ぎて行くのが遅かった。

何度時計を見ても10分しか過ぎていない。

私は車で来ていたからお酒も飲まず、ただただ苦しい時を過ごしていた。


帰りの車の中で、悔しくて泣いた。

飲み会の、本来みんなが楽しむ会の後で悔しくて泣くって相当異常だよなてわかっていながらも、自分が空気以下の存在にしか思えなくて嫌だった。

何をしても、どんなに頑張っても何も認めてくれない会社。

よく仕事辞めたい理由で「やりがいがない」て言葉を聞く。

当時の私は、「やりがい」を超えて、「生きがい」がない状態だった。


結果的に、ここの会社での飲み会はこれが最後となったが、1度として楽しかったと思えたものはなかった。

3年目には絶対転職しよう、そのために自分のスキルを上げていこう!
と意気込んでいた1年前、結局、なんのスキルも身につくことなく3年目を迎えようとしていた。

もう、最悪、転職先決まってなくても辞めるのも一つの方法かもしれないな・・

そういうこともぼんやり思い始めていた。




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