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電車の音がするコーヒーイベントへ行ってきた。

7連勤をやっと終えて、迎えた日曜日。

小さい頃、お昼前にパジャマ姿で寝室から出てくる父を見て「よくそんなに眠れるなぁ」と思っていたけど、今じゃその気持ちがよくわかる。アラームに飛び起きない朝はそれだけで心地が良い。

目が覚めてから、ベッドの上で恍惚な時間をたっぷり過ごしてから、むくりと体を起こす。この秋いちばんの冷え込みというだけあって、部屋の中の空気もひんやりしている。迷うことなくヒートテックのインナーを手に取り、スーツでもパジャマでもない服を久しぶりに着る。

今日は、どうしても行きたいところがあった。


JRに乗り、阪急にも乗り、てくてく歩いてたどり着いた先は、とある駅の高架下。この場所で、この土日だけ行われている、まちのコーヒーイベントにやってきた。


駅の高架沿いに、15店ほどのコーヒーショップがブースを出している。当日券は1,500円。受付横にあるガチャガチャを回して決められるお店と、あとは好きなお店を2つを選んで、合計3杯のコーヒーを飲み比べできる。

(丁寧に書いているけど、決して案件ではない。)


1店目はガチャで引いた「珈琲屋 焙煎太郎」さんへ。

ご夫婦でやられていて、お母さんとは京都にある豆大福で有名なお店「出町ふたば」の話で盛り上がった。大人になるにつれてこしあんよりつぶあんが好きになってきたと言うと、「ようこそこちら側へ!」と大歓迎してくれた。

その横で、ホーロー製のペリカンポットを巧みに使い、お湯を点滴で注いでじっくりと粉を蒸らすお父さん。むかしチョコレートが苦手だったのに食べられるようになった話をしてくれているお母さんに対して、「しゃべりすぎや」とぼそりつぶやく姿にほっこり。お二人の空気感がとてもあたたかく、コーヒーを飲む前から来てよかったと思えた。

淹れてくれたコーヒーはコロンビア。44℃くらいが飲み頃と聞いたので、じっくり冷ましてからいただく。深煎りの芳ばしい甘みが広がった後に、重たすぎない、まろやかな後味が残る、老舗喫茶店の一杯のようなクセになる味わいだった。

お湯を均等に広げているところ。
ぽとりぽとりと、コーヒーが滴ってきた。
ペリカンポットが欲しくなる。


2店目は「おもひで珈琲」さん。
パンフレットに「三重県津市」と記載があって、「同郷としてこれはぜったいに飲まないと……!」と、ふるさと愛に駆られて選んだ。先日弟の結婚式で津へ行ったと話すと、すぐに式場の名前が挙がり、同郷にしかわからないジモトークに花が咲いた。

出品コーヒーはインドネシアのマンデリン。

実はマンデリンには苦手意識があったけど、おもひで珈琲さんのマンデリンをいただいて印象が変わった。苦手だと思っていた「土っぽさ」がなく、かといって物足りないわけでもない、ちょうど良いハーブ感と濃度感。深煎りのネガティブなところがまったく出ておらず、ピントがばちっと定まっていると感じたコーヒーだった。

同じドリッパーを持ってるのでちょっと嬉しかった。


3店目は「自家焙煎珈琲 わが家」さん。
平日は別の仕事をし、週末だけコーヒー屋さんをやっているというももいろクローバーZ方式のお店。

普段と違い、このイベントでだけ「松屋式」という淹れ方で抽出していると知って気になった。

ポイントはいくつか。
まずは超粗挽き。

それから、ドリッパーに入れた粉を平らにせず、穴を掘ってお湯と触れる面積を増やすこと。そこへ粉と同量のお湯を注ぎ、蓋をして3〜5分間蒸らす。濃く落としたコーヒーをアメリカンのようにお湯で希釈し、おいしい部分だけをのばすという淹れ方だそう。

豆自体はブレンドで、雑味がなく、ごくごく飲めるような仕上がりになっていた。やさしい甘さのお菓子と合いそう。

タンブラー(?)でお湯を注ぐのは初めて見た。


コーヒーにハマってから、人と話すことが増えたように思う。

そして同じようにコーヒーにハマっているであろう人のことは、無条件に信用できてしまう。今日もお店の人とたくさん話したし、同じブースで「うんうん」とうなづいている人を見ると思わず声をかけたくなった。小心者なので実践はできなかったけど。

駅と街とを繋ぐ「縁側」のような場所を目指しているという今日の会場。電車の音、人の声、そしてコーヒーの香りが心地良く共存する、とってもステキな空間だった。

明日からも仕事がんばろう。







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