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No12輪廻転生 2023年8月

私の好きなユーミンのアルバムに“リインカネーション”があります。 まさに「輪廻転生」に触発されて創った14番目のアルバムで、そこに入っている珠玉の曲は、名曲「星空の誘惑」などいずれも甲乙つけがたいのですが、私は「ずっとそばに」が好きです。『たなびく夕映えの雲 私に涙あふれさせてくれた代わりに そっと呼んで 辛いならば 時をかけて行くわ。君らしいフォームでゆっくりと泳いで ふりそそぐ8月の雨 私をはだしで笑わせてくれた』

この歌詞、この曲を昔、ユーミンの8月恒例 逗子マリーナのコンサートで聴いた時、雨上がりで俄かに晴れ渡った空に群青色の富士が浮かんでいたことをまるで昨日のことのように思い出します。 そして先日、葉山マリーナでデ・ジャブのような光景に出くわし、遠く埋もれていた青春時代の記憶が甦ってきました。 同時に荘厳な富士山を前にして、悠久な時の流れの中で、毫のような存在である自分がたなびいていくことを実感するのです。

「輪廻転生」は、インド哲学やバラモン教由来の概念で、仏教に引き継がれ、魂が生まれ変わりを繰り返すこと、全ての生命は、死ぬと別の人間や生き物に生まれ変わるという思想です。 この考え方は、古代ギリシアや古代エジプトでも見られ、人類の文明における共通の死生観でもあるわけです。 しかし、近代科学の発達と共に、このような考え方は宗教の世界やスピリチュアルの世界の中にのみ閉じ込められる傾向になりました。 私が思うに、「輪廻」とは、生成流転、即ち巡り流れることであり、「転生」とは生まれ変わることです。 まさに現代のシニア世代が改めて向き合う「実相」を言い表す表現ではないでしょうか?人生100年時代が訪れ、モラトリアム期間が延長され、しかしいつかは訪れる「死」をも真摯に直視しつつ、変化し巡る「環境」の中、どのように「シフト」していくか、「生」を「転」じていくかということは最大の課題です。 多摩大大学院の教授である田坂広志先生が「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」でも唱えられているように、「私とは何か」という究極の問いと向き合うこと、そして「天」や「宇宙意識」とひとつになった「真我」について考えてみることが「真夏の夜の夢」に陥らず、叶えてみたいことであります!

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