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No.8 暦(こよみ) 2023年4月

ライフシフト大学では意気軒高な8期生を迎えて新たなプログラムをスタートしました!

“世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし” 在原業平(古今和歌集) 季節に結びついた日本人らしい心を詠んだ歌です。日本では4 月は官公庁や企業の新年度がスタート、学校も新学期が始まり、新入社員や新入生が溢れ、異動や転勤に伴う引越しも多く、期待と慌ただしさと一抹の不安が漂う季節です。しかし、この心持ちは日本特有の姿でもあります。

桜の咲かない多くの国や、会計年度が1 ~12月の中国や韓国、ばらばらな欧米アジア諸国、学校年度が8月・9月開始の多い海外では、心の景色も心の動きも自ずから変わるのです。 季節や暦は、長年にわたり人間の暮らしや 仕事(特に農林水産業など) のサイクルと深く結びついているので、民族や国民の「文化」や「考え方」と切ってもきれないわけであります。 多様性を
学び、考える時に、私たちは、相手の文化圏の季節感や暦の存在を忘れてはならないし、想像力を働かせる必要があります。
このように暦は重要な文化の「ものさし」でもあるわけですが、その「ものさし」自体も時代と共にそして科学の進歩と共に変化しています。 大枠では太陰暦 太陽暦、西洋ではユリウス暦 グレゴリオ暦、日本では宣命暦(平安) 貞享暦(江戸・渋川春海による) 新暦(明治・グレゴリオ暦)と変遷しています。 しかし、同時に昔ながらの風習や祭りや節句などに本来の自然
や神々に根差した名称も残っています。 反対に 気候変動に 伴い、季節感がずれていっている現実もあります。
例えば和暦の4月の呼称は卯月で、卯の花が咲く頃というわけですが、陰と陽の違いもありますが、今では初夏の風物詩です。
面白いのは西暦です。皆さんお気づきですか? September/October/Novem
ber/December が本来の月から2か月ずつずれていることに? ラテン語起源で、septは seven ですし、 oct はオクトパス(蛸)からわかるように eight 、 nove は今でもスペイン語の9はnueve からわかるように nine 、そして dec がデシリットルでおなじみtenです。 なぜそうなったか? 我儘なジュリアスシーザー(カエサル)とローマ帝国初代皇帝オクタビアヌス(アウグストゥス)が7月と8月に割り込んだからでしょうか?
答えはどうか考えてみてください。

3月末に撮った千鳥ヶ淵の風景です 。昔は4月に見られた風景でした。

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