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思い出話はその時にしよう


恋人と行くはずだったライブ。
彼とは訳あり直前で元恋人となり、当時私は彼の隣で同じ思い出を刻む事を選ばなかった。  

ただ、どうにもこうにも楽しみにしていたので
別公演のチケットを入手し、一人で彼らに会いに行くことに。

人生初の1人ライブ。
大好きな彼らがより大好きになった日。

その時の思いをここに綴ります。

あの日、彼は有給を取ってくれていた。
私は勝手に昼くらいに集まってライブに行くのを想像してワクワクしていた。 

一緒に行かない?と誘ってくれた彼、
私達を繋げてくれた大好きな人達に、大好きな人と会いに行ける。こんなの楽しみで仕方ない!もう今年1番のイベント、超えるものはない!
そうずっと密かに思って、事前にセトリを調べて同じことプレイリストをつくって聞いていた。

楽しみだね、なんの曲歌うと思う?
なんて話して。
行ってたらどんな1日を過ごしてたのかなと少し考えてしまった。

もし彼があの日一人で行っていたとしたら、
空いた隣の席を見て何を思って、誰を思い浮かべていただろう。きっと、チケットを取った時に一緒に行くはずだった誰かだったかな。
きっとそこに、私はいなかったと思う。

同じように手を一緒に挙げたかったし、
同じように手拍子して、一緒に歌いたかった。

「楽しかったね、最高だった。」 

思い出話は隣でその時にしたかったな。

ライブ後は一緒にラーメン啜りたかったな。
わたし、一人で食べて帰ったよ。

彼のピアスがいつも光っていたように、ステージに立っていた大好きな人のピアスも光ってた。

一緒に行く選択を取ることも間違いではなかった
でもきっと、さようならはできかった。

「素敵な人だったの。好きだった。」

そう思い出を美化できるうちにさようならして
大好きを大好きでいられる選択肢をとった自分は偉かったと思ってる。

今までの思い出は心の中にそっとしまっておく。

場所は違うけど、好きだった元恋人の彼と同じ景色をみて、同じ曲を聞けたこと。
ずっとずっと忘れないよ。

温かくて素敵で最高に楽しい、
そんな一日を過ごした日の記録でした。

いつかどこかで、
「あの後、一人で見に行っちゃった。」
そう笑いながら言えたらいいな。



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