想いは届く
夏を思わせるような、
暑いくらいの日曜日。
仕事が早く終わって、せっかく新し買った少し身体のラインが出るワンピースを着ているし、気分がいいからお茶でもして帰ろうかと駅に向かって歩き出したら
そのタイミングで久しぶりに連絡が来た。
会ったのは確か、昨年の11月に1度だけ。
細くて背が高いハーフみたいな顔したアパレルくん。
前回もそうだったけど、彼からの連絡は不思議な程にタイミングが良い。
その時の気分といい、時間といい、生理が終わったばかりという私の身体の都合といい、どこかで見てた?と思ってしまいそうな。
“久しぶりに会いたいです〝
「近かったよね?」
〝10分くらいでいけます“
「じゃぁうち来る?」
〝行きます!“
ちゃんと約束して会いたい子と、
こんな風にふらっと会える子。
どっちも優劣はそんなになくて
どっちにしても会いたい子に会えるのは嬉しい。
久々に会ったアパレルくんは少し恥ずかしそうにしてる。
彼の声も好きな声。
会わない間に誕生日が来て24歳になったんだって。
とてもシャイな感じがするけど、私を抱いてる様子を見ていると慣れてるなぁと思ったり。
まぁ、このビジュアルなら当たり前か。。
きっと彼は、いつも優しく女の人を抱くんだろう。
気がつけばずっと私の手を探して繋いで、
最初から最後まで延々とキスをして、
少し離れたら鼻先をくっつけてまたキスする。
痛くないように激しくは動かずに、気持ちいいところに当てたまま深く揺らしてくる。
我慢できなくて下から私が腰を動かすと、声が出ちゃうところも可愛い。
終わった後も汗だくのまま抱き合って、私の髪をずっと撫でて、2人でいつの間にか眠ってしまった。
初めて会った時よりいろんな話をして、
以前より少しだけ仲良くなった気がするけどまたいつ会えるかはわからない。
こういうの、なんかいいなって思う。
この子とはこの距離感がなんだか心地良い。
服を着替えて、まだ何となく帰りたくないように見えた彼に向かって
〝ん。“
と両手を広げて
笑ってハグをしてくれた彼の白いシャツに
塗り直したリップが付いてしまわないか気になった。
じゃぁまたねって見送った時
深くキスをされたから結局落ちちゃって、
その後鏡の中で見た自分がメイクも落ちてぼろぼろなのがおかしくて笑ってしまったけど。
なんだかとても満たされた気分で、1人になった部屋の中でスマホを見たら、翔太くんから元気がないようなLINEが届いていた。
え、やだ、もう、、、君もどっかで見てた?
まだうちに届く翔太くんの郵便物も
ちゃんと渡してあげなくちゃね。
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