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いろんな形がある【僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた】アダム・オルター著 上原裕美子訳

「ダメ。ゼッタイ。」

薬学部に入学した頃、
最初に言われたのが薬物乱用について。
「一度やるとやめられなくなるから」
そう言われました。

依存症と聞くと、
薬物、アルコール、ギャンブルなど
物騒なイメージ。

でも本書では、
これとは違う形の依存症について登場しました。
「これも依存症!?」と驚きの連続。



・気づき1.目標依存症

ここでは元オリンピックの金メダリストについて
取り上げられてました。

目標達成して嬉しいはずなのですが…。

「表彰台に立って「これからどうしたらいいんだ」と思っていた。1つのステージにたどりついてしまった。けど、じゃあ人生で次に来るピークは何なんだ」と。

僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた
p112

ミスユニバースの地方大会で優勝して、
目標達成したけど、
「喜びが続かなかった」と
過去言ってた方がいました。

優勝さえすれば…。
それでも満足できるとは
限らないんだなぁと思いました。

・気づき2.20ドル札をそれ以上の値段で落札!?

この実験では、
20ドルを1ドルからオークションを始めました。

1ドルだったらお得だけど…。
段々値段が上がり、やめる人も出てきます。

だけど、20ドルより高くなっても、
残ってるのが2人なら、
どちらかが落札することになります。

20ドルを1ドルで…と
お得さで、人は釣られるとわかりました。

20ドル札を1ドルで買えるなら、
お得に感じるけど、
お得さに釣られて、時間を費やしてしまうと、
ドキッとしました。

・気づき3.Netflixが生んだ「ビンジ・ウォッチング」

この言葉、初めて聞いた。

全○話、一気に視聴!
自動再生機能があります。

「もう見ない」と決めて止めない限り
ずっと見てしまうそうです。 

ずっと見てたら、
どんなにクオリティの低いドラマでも、
出演者に執着してしまうそうです😲

ちなみに私は、
ドラマは相棒を見てます。
リアルタイムで見れないので、基本録画。

1話完結のものが多いけど、
前編後編あったらまとめて見てます。

ついつい一気に見てしまいそうだけど、
2時間超えたらキツい。

・解決法1.予防はできるだけ早期に


子どものために親がとるべき態度、
とるべきでない態度があります。

○とるべき態度
・近づきやすい態度
・おだやかな態度
・子どもの状況について知ろうとする
・現実的

僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた


○とるべきでない態度
・怖い
・キレる
・よく理解していない。

僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた

普段から、
とるべき態度で接するしかないのか?と
思いました。

ある女性の方は、
「トラブルがあってもママには話さない。
すぐ騒ぎ立てるから
ママを落ち着けさせないといけなくなる」と
話してた人もいました。

親がぎゃーぎゃー騒ぎ立てると、
子ども側も
「面倒なことになるからやめとこう」って
なるのかな?と考えさせられました。

中国でもゲーム依存症が
社会問題になっているそうです。

治療にあたってる陶教授は
こうおっしゃってます。

「患者に向精神薬を投与しながら、
そもそもこれは病気ではないと考えている。
社会のせいで
孤独化とストレスに苦しむ子どもが
数百万人も生まれているのだとしたら、
なぜ一致団結して
その状況から脱しようとしないのか。
しない理由は、現実世界より、
デジタルの世界の方が明らかによい場所だから」

僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた

嫌な世界から現実逃避するためにってこと?
気持ちはわかります!

私自身も中学生の時、
ネット依存症に近い状態。
(未診断のため不明)

今考えると、学校が好きじゃなかったです。
今で言うところのブラック校則。

誰か1人でもしくじったら連帯責任でした。
「いくら自分が怒られないように努力しても
必ず足を引っ張る人間がいる」と無力感。

いろいろ言われるのが煩わしかったので、
「成績さえよければ、いいんでしょ?」と
どこか大人をバカにしてました。

そういう経験もしたので、
学校行きたくないって子どもの気持ち、
痛いほどわかります!
ゲームに逃げたくなる気持ちもわかります。

(我が子がそうなったら悲しいですが…)

こんなに巧妙に、
夢中にさせられる仕組みがあるなら
依存症になるのは仕方がないと
諦めるしかないの?

どうもそういうわけではないようです。

・解決法2.行動アーキテクチャで立ち直る

「スマホはどこにある?」

すぐそばにある? それとも遠い場所?

人間は誘惑から完全に逃れることができません。
目指すのは、
使用頻度を下げること!

手に届く範囲から誘惑を取り除いて初めて、
隠れていた意志力を探り出せるように。

確かに目に付くところにあったら、
やりたくなります。

わざとスマホを自宅に忘れるとか、
仕事中は見えないところに置くとか、
工夫するしかなさそうです。

薬物依存でも、
薬関係で繋がってた人や売人と
縁を切らないと
依存症の治療は難しいと聞きます。

交流があったら、
「またやらないか」ってなりそう。

依存の対象物が目に付くと
コントロールが困難に。

・解決法3.ゲーミフィケーション

読んだときの感想は、
「何それ?」の一言です。

定義は、
ゲームではない体験を
ゲームにしてしまうことです。

「体験そのものを報酬にすべき」
という発想からきています。

・プラスの面

運動習慣や勉強習慣など
なかなか身につけられない習慣を
身につけるときに使用可能。

できた日にシールをつけて、
「あぁ、貯まってる!」と
テンションを上がりますよね?

業務的な作業に
楽しみをもたらすと言うメリットがあります。

・マイナスの面

物事いい面もあれば、悪い面もあります。

指摘されていることに、

1.本当に脳を活性化するの?
2.何でもゲームにしていいの?
3.楽しいからよいのだと言うお墨付きが、動機をゆがめる。

どう判断するかは、状況によりそうです。

・現在の私

スマホについては、
取り出すのが面倒に感じる場所に
置くしかないと実感。
目に付いたら、使いたくなってしまいます。

ネット依存症だった時代を思い出し、
「私が中学生の時より、
もっと深刻になってるなぁ」と愕然。

現実逃避をしたくなる人を
責めることはできません。

依存症の観点から悪者にされてるゲームですが、
使い方によっては、
つまらないことを楽しくさせる手段に
なり得ると気づきました。

続けたいけど、難しい習慣化や、
単調でつまらない作業を、
いかに楽しくできるか。

その手段として使えるので、
上手く使いこなしたいです。

以上、ちえでした。
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