#1 ももクロ現象は、AKB現象であった

はじめまして。一般人です。

私は、ももクロが世間に認知され始めた2011年頃にどハマりし、その後離れ、現在またももクロを応援しているという状態です。今日は、なぜ私が当時ももクロにどハマりしたのか、そしてなぜ当時ももクロはあそこまでの勢いを持っていたのかを振り返ります。

2010年〜2014年あたりのももクロの快進撃は、信じられないような、まさに「奇跡」に近い現象でした。倍々ゲームで大きくなっていく会場、テレビ露出の急増、ファンを公言する多くの著名人、そして念願の紅白出場。私も、ある意味この大きなムーブメントに乗った一人だったのでしょう。

私は、いつか自分でアイドルをプロデュースしたいという密やかな野望を抱いているので、ももクロの大躍進のカラクリを解明したくなってしまいました。そのためにまずは、自分がなぜももクロにハマったのかを客観的に振り返る必要があります。

私は当時、AKBが大嫌いでした。今考えればあそこまで毛嫌いする必要もなかったのですが、とにかく、出てればチャンネルを変えるレベルで嫌いでした。このことについて、長らく私は「ももクロが好き」だから「その仮想敵たるAKBを嫌っていた」のだと記憶していましたが、よくよく考えるとこれは間違い。ももクロを知る前から、私は「AKBが嫌い」だったのです。そして、これはきっと私だけではなかった。

AKB48が2009年頃ブレイクしてからというものの、テレビや雑誌はAKB一色。口パクでのパフォーマンスや覚えきれないほどの大人数、少女たちを明示的に競わせてランクづけするシステム、幾分「性」の要素を思わせる握手会…AKBに反感を抱いたり眉をひそめたりしている人はかなりいた印象です。それにもかかわらずAKBは王者として君臨しているわけですから、閉塞感を覚えるのは不可避的でした。

その閉塞感に穴を開けたももクロ。「生歌での全力パフォーマンス」「一生懸命」「少人数」「握手会をしない(本当はめちゃめちゃしてましたが)」といった当時の触れ込みは、すべて黙示的にAKBとの対比の文脈の下で言われていたことです。

AKBという「巨大な悪者」を倒す正義のヒーローかのような印象は、Z伝説の頃に来ていた戦隊モノの衣装も相まってなのか、世間に広まっていき、メディアや私のようにアイドルに興味のなかった人間もミーハーに食いついたのです。

もちろん、これはももクロが売れた多くの要因のたった一つにすぎません。しかし、少なくとも一つ断言できることは、ももクロはAKBがいたからこそ生まれたカウンターカルチャーだったということ。

そして、ももクロがAKBに「勝った」のかは疑問ですが(多分勝ってはない)、動員数ではAKBを上回り、AKBより先に、女性グループ史上初の国立競技場でのライブを実現したことで、主観的にはAKBを「倒した」のです。そうなると、私のようなAKBへのアンチテーゼで盛り上がっていた人間は、やはりひと段落してしまうわけで、ちょうどこの頃はAKBも失速気味でしたから、かつてのような勢いは失われていきます。

ところで、最近なぜかAKBの全盛期の曲をよく聴いている(カチューシャとかヘビロテとかです)のですが、やはり全部知っています。出るたびにチャンネルを変えていたはずなのに、なぜか全部歌えます。これはやはり、AKBの凄さですよね。

つまり、私はももクロのファンですが、私がアイドルにハマった時代は、「ももクロ時代」ではなく「AKB時代」だったのです。

ももクロ現象は、AKB現象であったのです。

追伸

今はAKBも坂道も嫌いではないですし、ももクロを応援しているのも単純に好きだからです。一度離れたからこそ、本当のファンになれたのかもしれません。

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