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読書メモ:アフターコロナの都市計画

基本情報

『アフターコロナの都市計画』
石井良一
2021年3月10日発行

現在、東京に住んでおり、近隣地域で再開発や道路整備等の話があり、地域住民の反対が起こっており、「都市計画」に興味があり手に取った一冊。

2021年に発行されており、新型コロナ流行中で実際にはアフターコロナ前に書かれている。
現行の都市計画に関する各法律、地方で実際に起きている危機、そして、石井さんの提言がまとめられている

構成

第1章 アフターコロナ時代に都市はこう変わる
第2章 地方で生じているさまざまな危機
第3章 アフターコロナ時代のニーズにこれまでの制度で対応できるのか
第4章 アフターコロナ時代にどう都市をマネジメントするか
第5章 提言:アフターコロナ時代の都市計画制度

感想

農地も含めた「都市計画」となると、複数の法律が関係し、また、許可権者が複数になることに加えて、行政のマンパワー不足の問題もあり、なかなか現代にあった都市計画を策定することが難しいということだった。
石井さんの提言では、基本的に各市町村に権限を渡し各市町村で、計画を策定することを提案されている。

2021年に書かれているため、2024年の現状と少し異なっているのが、リモートワークが進み、都市部から地方への人口流入が進むのではということを予想されていたが、新型コロナが収束し、少なくとも東京からの人口流出の流れは落ち着き、再び東京への人口流入が増えていると聞いたことがある。

本書内では、人口減少が続くこともあり、「コンパクトシティ」を勧めており、大学時代の授業でも同様のことを習ったことがある。
社会資本を維持しようと思うと、当然ある程度の人口がまとまり都市・街が形成されている方が国や行政としては都合がよい

東京に住んでいると街の人口減少を感じる機会は少ないが、今回本書を読んでいて農業や都市計画の問題等いずれも根底には、「人口減少」があり、都市計画だけを策定しても肝心要の「人(特に若い人)」がいないと、結局は街として衰退せざるを得ないと思う。

卵か先か鶏か先かになってしまう部分はあるが、現状、都市に人が多く、地方に人が少ないことを前提に、魅力ある街を作り人を呼ぶ観点も計画には織り込む必要があるだろう。(実際に若者を呼ぶための施策をしている市町村も聞いたことがある)

身近なところでタワーマンション含む再開発や大規模道路の建設計画が進む中で、住民の反対が起きているが、直接的に影響がなく、便利になるならよいのでは?と思っているが、自分事としてちゃんと都市計画、再開発を考えた方がよいと思わされた一冊であった。

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