![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/116410033/rectangle_large_type_2_5ac44efa249db0ff85d28147af4a3f6d.jpeg?width=1200)
朝の三日月
私はパン屋さんでアルバイトをしています。
チェーン店ではなくて地域のパン屋さんという雰囲気の
素敵なバイト先です。
バイトのある日はだいたい4時に起きて5時にバイトが始まります。
真夏は4時半には明るくなっていたけれど
9月に入って私の出勤時間は暗い時間になりました。
早い時間のバイトを始めて気が付いたことですが
早朝の空気というのは東京でも人の気配が少なく、
私のことを拒んでいるように感じます。
バイトに行く道は1度だけ曲がるのですが曲がる前の道は目の前に
月が見えます。
その月だけはこれから働く私の存在を見逃してくれる
人情のあるボスのようです。
毎日同じ時間に自転車に乗っているおばさんとすれ違います。
彼女の進行方向だときれいな月は見えません。
私は同じ時間に活動し始める人がいることがとても励みになります。
月が見えない方向に進んでゆく彼女の支えに自分もなれていたら、
彼女にも月のような存在が目的地に着くまでにあったらいいなと思います。
この文章を書いた次の日に久しぶりのバイトがあり写真を撮ってみたらボスはいませんでした。監視役の明るい星だけです。
![](https://assets.st-note.com/img/1694931570175-vk29F86UYk.jpg?width=1200)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?