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暗闇に光をもたらす人

[ルカの福音書 2:25,26]

そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい、敬虔な人で、イスラエルが慰められるのを待ち望んでいた。また、聖霊が彼の上におられた。そして、主のキリストを見るまでは決して死を見ることはないと、聖霊によって告げられていた。

今日の聖書箇所
ルカ2:25〜38

今日もクリスマスQTでルカの福音書から恵みをいただいていきたいと思います。

救い主イエス様が誕生された時、それを知ることができた人たちはごくわずかでした。

東方の博士たち、羊飼いたち、そしてここに出てくるシメオンとアンナです。

シメオンとアンナは敬虔な祈りの人たちでした。救い主イエス様が生まれた時代というのは霊的にも現実的にも暗闇の時代でした。

旧約最後の預言者マラキを最後に聖書の預言はもうありませんでした。バビロン捕囚から解放されて神殿を再建したユダヤ人たちは独立を達成することはできず、この時代はローマ帝国の植民地となって、ヘロデ大王を初めとする独裁者による圧政に苦しんでいました。

宗教は儀式化、形式化していのちを失い、一部の宗教家たちが利得をむさぼり、神殿は強盗の巣になっていたのです。

そんなどこにも希望のない時代にシメオンとアンナはメシアの到来を待ち望み、夜も昼も祈り続けて、遂にメシアと出会うことになるのです。彼らの熱心な祈りがメシア到来という神のご計画を実現させていったとも言えるでしょう。

神のご計画の実現のためにはこのような祈りの人が必要不可欠なのです。彼らはどうしてそのような暗闇の中で失望することなく主を待ち望み、祈り続け、その祈りの答えを受け取ることができたのでしょうか?

第一に彼らは御言葉の約束に希望を置きました。

シメオンはイスラエルが慰められるのを待ち望みました。イスラエルが慰められるとはメシアの到来ということであり、それはイスラエルの神がアブラハムをはじめとする多くの預言者たちに約束しておられたことでした。

アンナもエルサレムの贖い、メシアによる回復を待ち望んでいたのです。

[ルカの福音書 2:38]

ちょうどそのとき彼女も近寄って来て、神に感謝をささげ、エルサレムの贖いを待ち望んでいたすべての人に、この幼子のことを語った。

暗闇の時に私たちが目に見える状況や環境に希望を求めるなら、失望、絶望しかなくなります。暗闇の時こそ神の約束の御言葉に心を向け、約束の御言葉に希望を置かなければなりません。

その時、初めて祈る力、待ち望む信仰が与えられていくのです。

第二に彼らは聖霊と交わり、聖霊の導きを受けていました。

[ルカの福音書 2:27]

シメオンが御霊に導かれて宮に入ると、律法の慣習を守るために、両親が幼子イエスを連れて入って来た。

[ルカの福音書 2:36,37]

また、アシェル族のペヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。この人は非常に年をとっていた。処女の時代の後、七年間夫とともに暮らしたが、やもめとなり、八十四歳になっていた。彼女は宮を離れず、断食と祈りをもって、夜も昼も神に仕えていた。

彼らは暗闇の中で聖霊の光、聖霊の感化、感動によって導かれ続けていたのです。祈り続ける力、主を待ち望む信仰は私たちの肉にはないのです。それはただ聖霊と交わり、聖霊が与えてくださる助けと導きによって初めてできることです。

その聖霊の助けと導きがなければ私たちはもうダメだと諦めてしまうしかなくなるのです。聖霊が諦めようとする私たちを励まし、慰め、祈り続けさせてくださるのです。

第三に彼らは答えを受け取るまで祈りました。

シメオンは主のキリストを見るまでは死なないと聖霊に語られていたので、それが実現するまで祈り続けました。アンナも夜も昼も断食と祈りで主に仕え続けていました。

高齢となっていた彼らにとってこれは簡単なことではなかったと思います。しかし彼らはどうしてもメシアに会いたい、祈りの答えを受け取りたいとその肉体を打ちたたくようにして祈り続けたのではないかと思います。

彼らは「疲れたからやーめた」という程度の祈りではなかったと思います。いつまで祈ればいいのか分からない中で、祈っても祈っても答えが来るようには思えない中で、そうであればあるほどますます祈ったのではないかと思うのです。

祈ることほど難しいことはないのではないでしょうか?祈りますと私たちは言うのですが、実際に祈ることは本当に難しいことです。シメオンもアンナもその祈りの戦いに勝利したので、その答えを受け取ることができたのではないかと思うのです。

私たちも絶望の暗闇の時こそ御言葉の約束に立って聖霊の助けと導きを受けて答えを受けるまで祈り続けていきたいものです。

今日の祈り
主よ、絶望の闇の中でも御言葉の約束に立って主を待ち望む信仰を与えてください。神のご計画の実現のために用いられる祈りの人にしてください。

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